<コンビ二創業戦記・別伝>「DCVS回想録」第4回

      2017/01/27  

<ローソン福祉会活動の思い出>(その4)

「人生設計セミナーについて」③

「セミナー」だからといって、硬い話ばかりしていたわけではない。

毎回、夜には必ず参加者全員で、楽しく懇親会を開き、お互いに心ゆくまで懇談するのが恒例であった。

日ごろ直接のお付き合いが少ない遠隔地のオーナーさんたち同士が、相互に自己紹介を進めながら、お酒を酌み交わし、時にはカラオケで歌いあい、ご夫婦共々の触れ合いを深める機会となったのである。

私自身も、オーナーさん同士が、心を開いて、親しく懇談し合い、お互いが厳しいコンビ二商戦の戦友としての絆が強まるように、その触媒になろうと、自分なりの懸命の努力をした積もりである。

この場での出会いを機に、気心を通い合わせ、その後、お互い励まし合い、支え合う、人生の友となった人々も多いと思う。

加えて、何れのセミナー会場も、それぞれ全国的に有名な名勝の地にあり、誰もが「一生の内に一度は行ってみたい」と思うような景観に立地していたから、参加されたオーナーさんたちは、その景観をじっくりと楽しみながら、「ご夫婦二人での美しい思い出を作りたい」と云うこともまた、参加目的の一つであったのである。

「人生は思い出の積み重ねである」といわれるが、ローソン商人として「21世紀の商人魂を追求し、共有する」と共に、オーナーさんたちが豊かな、素晴らしい自然環境の中で、美しい思い出を作って頂くお手伝いをしたいというのも、人生設計セミナー開催の目的の一つでもあった。

セミナーの休憩時間や翌日の早朝などに、海辺の砂浜や山麓のせせらぎの岸辺を、三々五々と、ご夫婦で散策しながら、静かに語り合われている姿が、今でも私の眼の奥に、明瞭に焼き付いている。

また、福岡シーホクホテルで数回開催した時には、隣接する福岡ドームのローソン専用貴賓室から、当時最強のチーム力を誇っていたダイエーホークスの試合を観戦し、熱烈応援した思い出は、今でも参加したオーナーさんたちの語り草となっている。

今日でも、当時を懐かしんでくださる皆さんとの電話や年賀状のやり取りが多いが、感謝に堪えないと感じている。

私は時折、自己流の下手な俳句を作ることがあった。別の機会に、改めて書く積もりであるが、ローソン加盟店研修センターであった「ローソン東富士ゲストハウス」館長などを8年に亘って兼務した時、私の発案で、「TOP-G]と云う館内報を、月刊で発行した。

<TOP-G2001年11月号><TOP-G2002年5月号><参加オーナーからのハガキ>

その間に約800回、ゲストハウスに通うのだが、その行き帰りに富士山に因む俳句風の句を作り、「富士山百景」シリーズと称して毎号掲載し、75号ぐらいになったと思う。

その延長で、「人生設計セミナー」に参加する度毎に、それぞれの景観の忘れられない印象を俳句の形で残そうと試みたのである。

お恥ずかしいが幾つか挙げてみよう。

平成13年(2001)8月、加賀山中温泉河鹿荘ホテルにて、

「星冴ゆる 鶴仙渓の 夏祭り」

「蝉繁し 鶴仙渓の 芭蕉堂」

「速瀬鳴る 采石巌に 蝉の声」

「滴水の 穿ちし跡や 遊歩道」

「緑陰を 行き交う人や 遊歩道」

平成13年(2001)10月、北海道定山渓温泉ビューホテルにて

「雲山に 七色紅葉 定山渓」

「聳え立つ 山一面の 紅葉かな」

「せせらぎは 紅葉映して 流れけり」

「陽を浴びて キラメキ戦ぐ 紅葉かな」

「寂滅の、紅葉曼荼羅 定山渓」

平成14年(2002)5月、福岡玄海ホテルにて、

「新緑の 宗像大社に 潮香あり」

「元寇を 鎮めし寺や 鎮国寺」

「古の 元寇跡に 黄砂降る」

「玄海の 荒浪超えし 黄砂かな」

「新緑に 笑顔眩しき 筑紫人」

この福岡玄海ホテルが、私にとって、自分が参加した41回目、思い出深き、最後の「ローソン人生設計セミナー」の開催場所となった。

「理事OBメンバーの集い・「有三会」「富士山会」について」

ロ-ソン福祉会の理事長は重任する慣わしであったが、理事さんは、任期が終了すると新しい理事と交代することになる。任期中の熱い交流で、お互いに築き上げた同志的つながりを、そのまま継続して維持したい、との同期理事OBの皆さんの切実な思いから、「理事OBの集い」が自発的に生まれることになっていく。

その代表的な福祉会理事OBの集いには、「有三会」と「富士山会」の二つがある。

 

<有三会ゴルフ会・滋賀にて><富士山会ゴルフ会・ゴールドコースト>

「有三会」は、初代理事長の有永さんの「有」と二代目理事長三輪さんの「三」から名付けられた会で、お二人の理事長時代の理事さんを中心にしており、どちらかというと草創期の古参のオーナーさんが多い。

「富士山会」は三代目理事長余田さん時代の理事が中心で、「ローソン東富士ゲストハウス」での研修に縁の深い、比較的新しい、若い世代のオーナーさんが多いといえよう。

「有三会」は、毎年2回ほど、全国各地持ち回りで、ゴルフ懇親会を開催してきた。いつも和気藹々と和やかに親睦を深め、お互いに高齢化が進んではいるが、20年近くも続いていると思う。

「富士山会」は、年一回はオーナーさんたちの心の母校・「ローソン東富士ゲストハウス」で、さらに一回はオーストラリアやグァム、サイパンなど海外での開催と、行動半径も広く、既に5年以上続いている。

昨年夏、「ローソン東富士ゲストハウス」が閉館となったと聞くが、「ローソン魂の総本山」の役割を果たしていただけに、心の拠り所を失ったようで、、残念きわまりないことであった。今後、その代わりの「富士山会」開催場所を探すことになるのだろう。

それぞれのメンバーは、相互に交流があり、お互い希望があれば、相互に参加し合うことができるようになっている。

私は、この二つの集いの最初からのメンバーで、特別の用事がない限り、必ず参加することにして居る。

私にとっては、このメンバーの皆さんは、「コンビ二創業戦記」の頼もしき戦友であり、人生の同志であり、強い絆で結ばれた生涯の友であるともいえよう。

次回からは、「日本フランチャイズチェーン協会活動の思い出」について、書きたいと思う。

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