【9月号】国立科学博物館で中高生に「江戸東京野菜と料理実験」授業

      執筆者:編集部2

 8月22日(日)、上野の国立科学博物館http://edoyasai.sblo.jp/article/40340493.htmlの中高生・アフタースクールプログラム2010で、「江戸東京野菜と料理実験」という、江戸東京野菜に関する講義と江戸東京野菜も使った、化学反応を使った料理実習を行いました。(写真左上:国立科学博物正面玄関) 

フードボイス動画ニュースhttps://fv1.jp/mvnews/?p=132にて動画配信中                                             

導入部分では、あえて現在流通していて、良く食卓にのぼる野菜の花の写真を見せて、野菜の名前(写真左下:左上じゃがいもの花・右上なすの花・左下ブロッコリーの花・右下にんじんの花)を答えてもらったり、ゴーヤーの実の写真を見せて「野菜の命のサイクル」を読み取ってもらいました 

第一部の講義では、江戸東京野菜を知っていただくために、江戸幕府が開かれてからの歴史的背景や江戸時代の野菜の種の流通について、江戸時代の野菜の産地、江戸時代から昭和30~40年代までに自家採取された種(固定種)伝統野菜を江戸東京野菜と呼んでいること。さらに、現在作られている江戸東京野菜(下の写真上左から金町こかぶ・のらぼう菜・亀戸大根 写真中左から馬込三寸にんじん・東京うど・寺島なす 写真下左から伝統小松菜・馬込半白きゅうり・しんとり菜)について、パワーポイントと小金井市の江戸東京野菜リーフレットを使って、解説を行いました。

実際に現在一般的に流通している野菜と江戸東京野菜の食べ比べをしていただきました。ここでは、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)をフルに使って、食べ比べていただきました。食べ比べの野菜:三鷹の星野さんの寺島なす(写真左)と市販の千両なす(写真右)小平の宮寺さんの銀まくわ(写真左)と市販のメロン(写真右) 皆さんの感想は、「寺島なすは、アクが強いけれども、甘味がある」とか「銀まくわとメロンは、メロンの方が甘いけれども、銀まくわが香りがいい」など。

二部の実習では、江戸東京野菜の寺島ナスも使いながら「料理実験」と称して、化学反応を使って料理料理を作りました。

1.カッテージチーズ作り→ 牛乳に酢を加えることで、たんぱく質が固り、カッテージチーズと乳清に分離する 

●カッテージチーズ約200g分 

<材料> (主な使用器具:電気鍋、ビーカー、ザルなど)

・牛乳 1ℓ  ・リンゴ酢 大さじ3

<作り方>

①牛乳を鍋に入れ火にかけ、ふつふつとしてきたら沸騰する前に、リンゴ酢を加えて軽くかき混ぜる。

②もろもろと分離してきたら、火から下ろしボウルにざるをのせ、布巾かペーパータオルを敷いてこし、水気を絞る。

*チーズ作りはとてもおもしろかったようだが、チーズ作りの過程で出来た乳清を全員で試飲 → 栄養はあるがあまりおいしくなかったようだ

2.黒米入り酢飯作り→アントシアニンを多く含む黒米を入れて炊いたご飯に酢を加えることで、化学反応を起こして、鮮やかなピンク色になる

●黒米入り酢飯

<材料> 4~5人分 (主な使用器具:炊飯器、ボウル、へらなど)

・黒米ご飯(・黒米 大さじ1と1/2  ・白米 2カップ  ・水 2と1/2カップ)

・すし酢 (・リンゴ酢 大さじ3  ・塩 小さじ1/2)

<作り方>

①炊飯器か鍋に黒米と白米を入れて炊く。

②ボウルに分量のリンゴ酢と塩を入れて、よく溶き混ぜる。

③炊き上がったご飯をボウルか飯台に移し、2の酢を加えて切るように混ぜる。

*色が変わった時には、静かな歓声が沸きあがった(小学生とは違う、お年頃な反応)

3、寺島なすのヨーグルト味噌漬けとカッテージチーズの黒米巻きずし作り

            →1と2で作った材料を使って、裏巻きづしを作る

●寺島なすのヨーグルト味噌漬けとカッテージチーズの黒米巻きずし

<材料> 4~5人分(主な私用器具:へら、巻きす、ラップフィルム、包丁、まな板)

・寺島なすの漬物 4~5個  ・黒米入り酢飯 上記分量

・カッテージチーズ 200g  ・オリーブ油 大さじ2  ・味噌 大さじ1と1/2

・醤油 小さじ1  ・海苔 全形3枚  

<作り方>

1.寺島なすの漬物は、たてに細く切る。

2.ボウルにカッテージチーズ、オリーブ油、味噌を入れてよく混ぜ合わせる。

3.巻きすを広げその上に海苔をのせ、黒米入り酢飯の1/3をのせて広げ、さらにラップを敷く。ラップごと上下をひっくり返し、上のラップをはがす。

4.海苔の上に2のカッテージチーズの1/3をのせ、その上に寺島なすの漬物の1/3を水気を絞ってのせ、巻く。ラップに包んだまま少しおいて落ち着かせる。

5.同じ作業を3回繰り返して、3本の巻きずしを作る。

6.ラップのまま切り、ラップをはずして器に盛る。

*      海苔巻きを作ったことのある生徒が、ほとんどだったが、裏巻きは初めてだったようで、慎重に作業を進めていた

★受講した中高生のアンケート結果は、下記の大竹道茂の江戸東京野菜通信http://edoyasai.sblo.jp/article/40340493.htmlの8月23日付ブログで紹介

☆ 大竹道茂の江戸東京野菜ネット https://fv1.jp/ootake/index.html
  大竹道茂の江戸東京野菜通信http://edoyasai.sblo.jp/
☆ NPO法人日本食育ランドスケープ協会「心と体にやさしい野菜アレンジ」
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