【2013年1月号】江戸東京野菜には一つ一つに物語がある。
執筆者:auc_shonin
緑黄色野菜としてあらゆる料理に手軽に使われている「小松菜」は、八代将軍の徳川吉宗が命名した野菜。
吉宗が、江戸川方面で鷹狩りをしていた時に空腹になり、辺りを探すと、田圃の中にこんもりとして島のようになったところに祠がある。
何か食べさせてもらおうと、行ってみるとそこは、今の「新小岩の香取神社」。
何か食べる物はないかと所望すると、何もないがと云って宮司が出してくれたのが、餅の澄まし汁に、庭に生えていた青菜を添えて出してくれた。
吉宗は、この青菜を美味しいと大層喜び、この菜は何と云う「菜」だと訪ねるが、宮司は良く知らなかったようだ。
当時とすれば「葛西菜」と言われていたが、宮司はこの辺りに生える名もない菜だと答える。
それならと、吉宗は「この地は小松川と云うところだから、小松菜と呼ぶが良い。」と名付けたと同神社に伝わっている。
この版画、歌川広重の「名所江戸百景 箕輪 金杉 三河島」は、現在の荒川区だが、さらに東の足立、葛飾、江戸川辺りまでの広大な水田地帯には、丹頂鶴が飛来していた。
この地には、家康の時代から「鶴御成り」として将軍が鷹狩に来ていた。
丹頂鶴は旧暦の10月頃から3月頃まで毎年飛来してきていて、捕獲した数羽の内一羽は朝廷にも献上していたようだ。
当時の、料理書を見ると、「塩鶴」と云うのか記載されている。
江原絢子先生に伺うと、
「塩鶴は、やや甘めに塩出しをして酒につけ、みそ汁で仕立てたものなどが料理書でみられます。
もちろん季節の12月から3月には生鶴も使われ、、塩鶴など塩鳥は2月頃から6月頃に使われています。」
また、当時の小松菜は季節限定の冬の野菜、笹の枝で霜よけをして栽培した菜は、甘くなって栄養価も高いく、正月の江戸雑煮には欠かせない野菜だ。
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