健康ニュース 10月15日号 大企業のやることか!
国民の健康福祉増進のためという大義名分のもと、国の方針で多種多様のサプリメントの流通が認められ、日々様々な情報が流布されています。
名も知れぬ零細業者が、画期的な製品を開発し、広報活動をうまくやり数年も経ないうちに知名度抜群という結果になることも数多くあります。
一方では、世間でいう大企業が、本業とは乖離したサプリメント業界に進出。豊富な資金力と研究陣を有して、今まで世間にはなかったサプリメントを売り出しています。大企業だからと言って無手勝流のやり方が許されるわけではないのは当然です。
ひと月ほど前にえっ!という広告がありました。
全国紙の一面全てを飾ったフイルムで有名なF社のサプリメント広告です。ここまでやるかと考えながら、この大企業のサプリメント関係部門には表現が許される広告などについての専門家がいないのかという疑問を持たざるを得ませんでした。
このF社の発売サプリメントは、今流行の「糖の吸収を抑える」サプリです。以下広告内容について書いてみます。
「いつもの食事には、糖質がたっぷり」と大きな文字が一列。すぐ下には茶碗に入った多めのご飯の写真があり、ご飯1膳=角砂糖18・4個分とあり、角砂糖がピラミッド型に積まれている写真つきです。同様な表現で、右にはスパゲティ(麺)1皿=角砂糖17・9個分とあります。ショートケーキには角砂糖17個分ともあります。角砂糖という文字の20分の1以下の小さな文字で「角砂糖1個=糖質3g想定。日本食品標準表より、炭水化物から食物繊維を引いて割り出したものです」との注意書きがありますのは、せめてもの罪滅ぼしか問題になったときの責任逃れでしょう。
これは勇み足と言って許されるものではありません。ご飯や麺類の持っているエネルギーやその他の栄養成分などは全く無視しています。比べること自体意味のないことであり、ご飯を主食としている多くの日本人に対して悪意ある広告だ、と考えてしまいます。
F社に問い合わせしたところ、あくまでも角砂糖に換算した場合の数値に他ならないとしか説明がありません。だから問題ないのでしょうか!
国民病といわれる糖尿病とその予備軍、またダイエット志向の強い若い世代の女性らが、ご飯1膳にこれだけの角砂糖が入っているの!とご飯を食べなくならないと誰が断言できるのでしょうか。
誘導質問は続きます。
こんな方におすすめという欄には①ご飯や麺類が好き!②甘い物が好き!③でも健康には気を付けたい!
他の業者の発売したこの系統のサプリで満足されなかった方で、①~③にチェックの入った方は一流企業の発売しているサプリだから試してみようとか、もうご飯を食べるのは止そうという気にはならないでしょうか。トップ企業にはトップとしてのモラルがあるはずですが・・・。