日本公庫「2000人消費者動向インターネット調査」

      執筆者:編集部

米国発金融危機に伴う世界同時不況は一段落し、経済が回復に向かいつつある中で、消費者意識はどう変化したか、が注目される。日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業は6月上旬、全国の20歳代から60歳代までの2000人を対象に食に関する消費者動向をインターネット調査した。その結果、平成20年から増加傾向にあった消費者の経済性志向、財布の中身を見ながら「食を節約する志向」が前回調査(平成22年1月実施)をピークに今回は減少に転じ、自宅で食事をつくる「手作り志向の急減」、さらに簡単なもので間に合わせる「簡便化志向の増加」などから消費者の「節約疲れ」が出てきたといえそう。<調査結果のポイント>経済性志向減少は先行き予測でも同じ、健康志向は引き続き高水準経済性志向」が前回調査の43、2%から39,0%へ減少、今後の食の志向を聞いた先行き予測でも37、5%と同じ傾向を示した。平成20年5月に41,3%あった「安全志向」は、前回調査で15、6%まで低下したが、今回は18、55%まで回復、高齢化の進展にともなって、健康志向が36、6%と引き続き高水準を保っている。経済情勢受けての食生活の変化「内食が増えた」が減少。「昨今の経済情勢を受けての食生活の変化」という問いに対しては、「内食が増えた」という比率が昼食、夕食とも前回調査から大きく減っているのが特徴。消費者の「節約疲れ」問題ともからんでいる可能性があり、食品の購入量は全体として依然減少傾向だが、減少幅は改善している。ただし、不作から高値となった野菜は大幅な減少が見られた。輸入品よりも国産品志向は約6割だが、国産に「こだわらない」層も増加、「輸入食品よりも価格が高くても国産食品を選ぶ」という消費者は依然として全体の約6割の水準を保っている。「国産品へのこだわりがない」という層も調査のたびに増加しており、今回調査では12、4%となっている。