流通BMS導入企業数調査結果「導入済み1万社超える」

      執筆者:shirai

流通BMS協議会が半年ごとに行っている「卸・メーカーの流通BMS導入企業数調査」の結果、12月1日現在の流通BMS導入企業数は1万社以上であることが推測された。2016年6月1日時点では「流通BMSを導入している卸・メーカーは9,650社以上と推測される」という内容で発表されており、半年間で450社ほど増加している。流通BMSとは、「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)」の略。経済産業省の「流通システム標準化事業」により、07年4月に制定されたEDI(電子データ交換)の標準仕様。従来、流通では受発注の方法に電話、FAX、JCA(日本チェーンストア協会)手順が利用されてきた。しかし、1980年に策定されたJCAはインフラに電話回線を使っているため通信速度が遅く、大量のデータをやり取りする卸・メーカーには不向きであった。また近年、電話回線でネットワークにつなぐための通信機器(モデム)が入手しにくく、故障した時にモデムが手に入らなければ受発注業務ができなくなる。さらに、漢字や画像が送れないといった欠点があった。流通BMSはインターネット回線を使用しているため、JCAと比較すると通信時間が短縮でき、漢字や画像も送信可能になる。また、標準化された通信手段とフォーマットでデータを交換することにより、発注、出荷、受領、検品、請求などのデータを高速かつ低コストで交換することができる。今回行われた調査は、卸・メーカーの流通BMS導入形態別に、システムを提供するIT企業の「通信ソフトウェアの出荷本数」と「ASP/SaaSサービスの接続先数」を調査し、その結果から導入企業数を推計するというもの。その結果、自社導入型の卸・メーカー企業数:8,252社(前回比:449社増)、外部サービス利用型の卸・メーカー企業数:1,859社(前回比:9社増)となり、自社導入型および外部サービス利用型の合計は10,111社という推計になった。公衆回線網のIP化、INSネットディジタル通信モードのサービス停止(予定)、軽減税率制度の認識が拡がり、その対応に向けた動きが加速している近年。卸・メーカーの流通BMS導入企業数は今後、更に拡大が予想される。