健康ニュース 8月1日号 熱中症とFIRE!
「まだ猛暑が続きますね。熱中症が原因で病院に運ばれたとか亡くなったという方が多いですね。あれだけ注意を呼び掛けているのに・・・。やはり異常な暑さなのでしょうか」
隠居中の大御所 暈穀菜「そうだね、子供と高齢者は特に気を付けないとね。若いとは言えない君も気を付けたほうが良いよ。熱中症予防のカ・キ・ク・ケ・コというのを前に言ったのを覚えているかな」
隣家のインテリ夫人「はい、記録してありますわよ。カは、風通しを良くする。キは、休息・休憩をとる。クは、クーラー、扇風機をうまく使う。ケは、健康管理、特に睡眠管理に注意。コは、こまめな水分補給です。ちゃんと覚えているでしょう」
隠居中の大御所 暈穀菜「よく覚えていたね。でもなぜこんなに熱中症の人が増えていると思うかね」
隣家のインテリ夫人「やはり昔に比べると暑いのでしょうか。地球温暖化の影響かしら・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「わしの推測だが聞いておくれ。発汗機能は6歳には出来上がるといわれている。でも今の赤ちゃんは生まれてからずーっと過保護に育てられ過ぎている。君の孫たちもそうだと思うが、夏の風呂上りにはすぐクーラーの効いた快適な部屋で過ごさせる。昔のように風呂上りに、赤ちゃんの肌の余分な水分を吸い上げさらっとさせるために天花粉、代表的な商品名ではシッカロールだが、全身真っ白になるほど塗るという風景は見られなくなった。6歳ぐらいまでに汗を出す機能が完成されていないから、大人になっても発汗による体温調整ができないのではないかな。日本以上に蒸し暑い東南アジアの国々では熱中症なんてないということだ。昔の薬局では、夏場の特売品がシッカロール系商品で、飛ぶように売れていたのだからね」
隣家のインテリ夫人「いわれてみるとそうですね。孫を見ていると思い当たることもありますわ。発汗機能が出来上がっていないから暑さに対応できないのですね」
隠居中の大御所 暈穀菜「正しく言うならば、汗でコントロールする機能が出来上がっていないのだと思うよ。ところで熱中症予防のカキクケコは先ほど君が言ったとおりだが、明らかに熱中症になった人に応急措置としてFIREというキーワードを覚えておくことだね。これは帝京大学医学部救急医学講座の三宅康史教授が専門誌で発表されているのだがね」
隣家のインテリ夫人「FIREって火という意味ですよね」
隠居中の大御所 暈穀菜「興味あるなら覚えておきなさい。FIREのFはFluidといって水分とか飲み物の意味だが、ここでは水分補給を意味する。ただ意識のないときは飲ませてはいけないことも忘れてはいけない。IはIcingで冷却すること。野球の投手がアイシングをするというだろう。あのことだ。RはRestで安静を意味する。EはEmergencyで119番通報をすぐにしなさいということだ。熱中症予防も大切だが、現実に熱中症になった人に対する手当として良い標語だと思うね。そうだ!今夜も熱帯夜だから冷えたビールで今から体を冷やしておこう。ビールは水分補給や熱中症対策にならぬなどと固いことを言うなよ」