健康ニュース 10月1日号 認知症と食欲減退

     

隣家のインテリ夫人「友人の同居しているお母さんの認知症が進んでいると言われていたのですが、最近そのお母さんの食欲が無くなったのか、あまり食べなくなったのですって。私が相談を受けたのですが、普通認知症になれば、食べ終わったばかりなのに、食べたことを忘れて食事はまだか~と言うと学んだのですが、食欲がなくなることもあるのですか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「認知症の症状として、食欲が減っていくということは考えにくいね。君の言う通り、食べたことを忘れて何度も食べようとするのが代表的な症状だからね。食欲が低下するとか拒食に近い状態は、抑うつ状態などが考えられる。でもすでに認知症と診断されているならば、もしかしたらお母さんの口中衛生に問題があるのかもしれないな」

隣家のインテリ夫人「口中衛生ですか?具体的にどんなことに注意してあげると良いのですか」

隠居中の大御所 暈穀菜「例えば、口内炎ができてひどくなっていないか、とかだがね・・・。そうだ!そのお母さんは入れ歯をしていないかどうかわからないかな?認知症の人だけでなく、高齢者が入れ歯を使っているとき、その入れ歯が合わなくなっていると食べたくても食べることができないのだよ。時には合わない入れ歯が原因で、口の中がはれ上がって熱い物や冷たい飲食物を嫌がる人もいるそうだ。十分咀嚼ができないから、固い食べ物などは今までは好んで食べていたにもかかわらず、見ただけで拒絶することもあるらしいよ」

隣家のインテリ夫人「そうですか、さっそく友人に言っておきます。入れ歯の具合を確かめるということは大事なのですね。でも入れ歯というのは歯医者さんに行かないとだめですよね」

隠居中の大御所 暈穀菜「歯医者さんに相談してみなさい。今では歯医者さんが自宅まで往診に来てくれるらしいからね。いやそれだけではなく自宅で抜歯治療までやってもらえるということだよ。入れ歯があっているかどうかはすぐやってもらえると思うから、歯医者さんに相談することだね」

隣家のインテリ夫人「さっそく友人に言っておきますわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「ついでに確認しておいたほうが良いことがある。それは食卓の高さなどが食べやすい姿勢を保つのに合っているのかどうかだ。高齢者はだんだんと背が縮込んでくるから以前はちょうどよい高さでも今は高すぎるということも考えられるからね。それなども食欲減退の引き金となっているかもしれないよ。最後に知ってほしいのは、最近記憶を保つとか回復させるというサプリメントが出回っている。これらを使うと、認知症と判断し、治療を開始する時期を遅らせることも考えられる。少しでもおかしいな、と思うことがあればまず専門医に相談することが大事だからね。専門医の判断を仰ぎどんなサプリメントが相応しいかをアドバイスしてもらうことが大事だな。そうだ、秋の味覚を楽しむ季節となったね。頭脳の細胞を若返らせるDHAたっぷりの刺し身と鍋で新酒を楽しもう。準備を頼んだよ」