健康ニュース 11月15日号 ミルクにも色々あり!
ミルクにも色々あれど
牛乳を頭から否定し、絶対に飲まないという方の主張の一つに、母乳は乳児の食べ物であり、牛乳は赤ちゃん牛の飲み物。大人になっても乳を飲むのは人間だけで、自然の理に反する、ということをよく耳にします。このような考えの方に、いくら牛乳の栄養食品としてのメリットを説明しても、人は牛の乳は飲むけれども、犬や豚の乳を飲まないのはなぜだ、と言われると返事に屈することも数多くありました。
そんな主張をする方の中にも、チーズは食べます、ヨーグルトは飲みます、という人は多いようです。乳製品の持つ栄養価、健康に貢献する価値は認められているようです。
話がころっと変わりますが、人の食べ残しやおから、木屑といった栄養価のないと考えられるものばかり食べているにもかかわらず、豚はなぜあんなに太っているのでしょうか、考えたことがありますか。そしてあれほど太っている豚の乳には栄養価がいっぱいあると考えられないでしょうか。
養豚業界の中では、こんな疑問に答えてくれる研究者がおられます。
まず人の食べ残しや木くずで栄養が取れるの?と言う疑問に対しての回答です。
豚の腸の長さは、人の約3倍以上で30mにも達します。その長い腸が、人にとっては栄養価が低い物でも徹底的に消化吸収するため、効率よく栄養として吸収するそうです。
このようなことが分かっていきますと、牛などに比べて狭い場所でも飼育できる豚は、人の環境にも好影響を与える生き物と言えるかもしれません。
もう一つの疑問、豚の乳は飲めないのでしょうか、に対しては次のような回答がありました。
乳牛と違って、豚の乳房には乳槽という乳を貯める組織器官がないそうです。乳腺があまり発達していないとのことです。したがって機械で採乳することはもちろん、人手で採乳
しても大変効率が悪いとのこと。1回で催乳できる量は牛に比べると1/20以下という話です。ただし豚乳の栄養科は牛乳とはまた異なった成分が多いとのことで、様々な研究がなされているとのことです。いつの日か豚乳の食品が、家庭の食卓メニューの仲間入りする日が来るかもしれません。
羊やヤギの乳は牛の乳同様に、人の食生活を豊かにしてくれています。一方では飼育の場として広大な広さが必要ですし、飼育するにしても投下資本がばかにならないと言われております。
一方豚の飼育には、これらの点が割合と受け入れられやすいのではないでしょうか。
ただ、豚と聞くだけで残飯を食べ、あまり衛生的でない飼育環境を思い浮かべる方もおられることでしょう。
そんな方はちょっと待ってください!
本格的な養豚場で取材するためには、小道具はすべて殺菌消毒。着衣も業者指定のものを身に着けやっと許されるのです。なぜなら部外者が身に付けてきた黴菌が、豚に感染するリスクを避けるために必要なのです。
喫煙により様々な有害成分を体内に所持している人よりは、豚の体内はずっと清潔です、と言っては喫煙者にお叱りを受けるかもしれませんが、それが事実なのです。 巳巳己