早稲田大学「歩行中のガム咀嚼でエネルギー消費量増加」

      執筆者:motoe

早稲田大学スポーツ科学学術院 宮下政司准教授とロッテ(代表取締役社長:牛膓栄一)の共同研究グループは、「歩行時にガムを咀嚼することでウォーキングの効果が高まり、エネルギー消費量も高める可能性があること」を確認した。同研究では、日本において最も広く行われている運動である “歩行”に着目し、21歳から69歳までの男女を対象に、ガム咀嚼あるいは無咀嚼での歩行が生理機能、身体機能に与える効果について調査を実施。その結果、ウォーキングをしながらガムを咀嚼することで、通常のウォーキング時に比べると生理機能・身体機能を向上させ、さらにエネルギー消費量も増加する可能性を確認した。これまでの研究において、安静時にガム咀嚼を行うことで、交感神経活動を増大させ、心拍数およびエネルギー消費量を増大させることが報告されているが、同研究では、男性、特に中高年者において、歩行速度の増加により、エネルギー消費量が増加することが直接的に示唆された。これらの結果から、ガム咀嚼は運動の主目的の一つである、「健康・体力つくり」の為の歩行の効果を高める可能性が推察される。今後は、呼気ガス測定等によるエネルギー消費量のより詳細な検討等を行っていく予定。なお、この研究成果は、理学療法科学学会誌「Journal of Physical Therapy Science」に1月25日付で受理され、4月号(4月20日発行)に掲載されている。