健康ニュース 12月15日号 「朝ごはん」の意味・・

     

 小学校で食育について、保護者(ほとんどが母親)と教職員を対象に講演をさせてもらうことが年に何回かあります。

朝ごはんを摂るということが、子供の学校生活に欠かせない重要な意味のあることは、ほとんどの方が理解されています。

そんな中、急な理由によって朝食の準備ができなかった時、子供にはすまないと思いながらも、近所のコンビニに行っておにぎり、サンドイッチなどを買い求め、食べさせているという方がおられました。

「なぜ子供にすまないと思うのですか?」という質問を投げかけてみますと、「コンビニなどの食べ物には食品添加物が多いので、できるだけ食べさせたくないのです」と言う主旨の答えが返ってきます。

さらに次のような質問をつづけます。

「もしコンビニに卵かけご飯セットという商品があるとします。ご飯とたまご、それにお醤油の入った小袋が付いている商品です。おうちで卵に醤油をかけて食べる卵かけご飯と、コンビニで売られている卵かけご飯のどちらの方が、食品添加物が多いでしょうか?」

どの会場でも保護者のほとんどは「もちろんコンビニで買ったものの方が多いと思います」という答えが返ってきます。

コンビニおにぎりに貼られている原材料名を見てみましょう。ご飯、卵は家庭のものも、コンビニのものもほぼ同じです。家庭での醤油は、何の問題点もないものとして使われています。

ではコンビニの醤油の小袋はどうでしょうか。調味料(アミノ酸等)という表示が多いようです。家庭で使う醤油と同じであるとしても、その醤油が醤油ダレとして使われているならば、調味料(アミノ酸等)という表示をしなくてはならないのです。

家庭では何の疑いもなく卵かけご飯に使う醤油が、コンビニで販売されるときは、食品添加物として表示義務が生じるのです。

たったこれだけの違いに、親として「すまない」という気持ちを持つことが不自然に思えてなりません。

小誌では何度も言い続けてきましたが、コンビニの弁当、おにぎり、サンドイッチなどには大量の食品添加物が使用されているというのは、全くの都市伝説で、正しいことではありません。先述のように、何らかの理由により子供に朝食の準備ができないときなどは、どんどん利用すべきです。

むしろ子供に朝食を与えず登校させることの方が、親として考えるべきと言えます。なぜ子供たちにとって朝食が大切なのかについて要点を絞って、述べてみます。

①身体のリズムは1日24時間ではなく、プラスαがありますが、24時間にリセットする必要があります。朝の光を見て神経系を、朝食を摂り内臓やホルモン系を24時間にリセットする必要があります。

②起床時は、体温が最も低くなっています。また脳の唯一の栄養素であるブドウ糖は、枯渇に近い状態です。朝から学校で活発に動き、勉強に集中するためには、体温を上げ、脳に栄養を届けることが必要です。

朝食は、脳の栄養素、ブドウ糖の基となる炭水化物、体温上昇のためのたんぱく質摂取が大きな役割を持っていることを理解しましょう。