伊藤忠食品×エブリー「業務提携契約」締結
執筆者:motoe
酒類・食品卸売業の伊藤忠食品(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長・社長執行役員:岡本均)は、動画メディア事業を展開するエブリー(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:吉田大成)が実施する第三者割当増資を引き受け、および業務提携契約を締結することを決定した。今後両社は、小売業の店頭販促や送客施策のデジタル化の推進と、メーカー商品の認知から販促強化まで支援するサービスを展開していく。食品流通業界では、少子高齢化による人手不足と労務コストの上昇や、消費の多様化・成熟化に対応するため、これまでの販売手法に加えて、デジタル化によるオペレーションコストの最適化をはじめ、様々なデータの利活用を通じた新たな販売戦略の推進が求められており、5G/IoT の本格普及によって、動画メディアはスマートフォンだけでなく、デジタルサイネージへのスムーズな配信も可能となる。また、動画広告はオンラインに加えオフラインでも展開ができるようになり、動画メディア市場が急拡大すると予想されている。こうした中、リアルな購買シーンにダイレクトに働きかけることができるメディアとして活用方法に注目が集まっているのが、店頭デジタルサイネージだ。動画メディアによる「認知」「興味・感心」の喚起に加え、店頭デジタルサイネージによる「比較・検討」「購買」といった販売促進を組み合わせることで、メーカーだけでなく小売業からもソリューション提供が期待されている。エブリーは2015年より「誰でも簡単においしく作れる」レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」の運営を始め、現在、25,000本超のレシピを1,900 万人以上のユーザーに提供している。2018年からは、アプリやWebなどのオンラインサービスにとどまらず、リアルな売場である小売業の集客と販促の強化、またメーカー商品の訴求機会の創出を目的として、「DELISH KITCHEN」のレシピ動画が放映できる店頭デジタルサイネージの導入を進めている。また、オフライン領域である小売・流通市場のニーズ拡大に伴い、営業基盤の体制強化にも注力している。このような背景により、小売・流通とメーカーを集客・販促面で支援するため、伊藤忠食品とエブリーは業務提携契約を締結。伊藤忠食品が中間流通業としてこれまで培ってきた小売業およびメーカーとの接点や売場提案力と、エブリーのデジタル領域の知見およびコンテンツ力を掛け合わせ、次世代の技術を活かした販促提案を取引先へ向けて推進してくとしている。また、伊藤忠食品が2017年から開始しているE-POP事業については、「DELISH KITCHEN』が展開する店頭デジタルサイネージを中心とした「リテールサポートプログラム」と連携を進めていく意向だ。「リテールサポートプログラム」は、売場と連動したレシピ動画の放映だけでなく、「DELISH KITCHEN」のユーザーへ小売業のチラシ情報の発信、レシピカードデータの提供、効果検証のフィードバックなど売場の活性化につながるオプションを揃えており、両社は、この「リテールサポートプログラム」を用いて、小売業に向けた販売促進・送客施策のデジタル化の推進と、メーカーに向けた多面的な商品露出機会を提案していくという。