ヤマキ「かつおだしの血糖値上昇抑制効果」を発見

      執筆者:shirai

ヤマキは、2019年12月1日~5日に神戸国際会議場・神戸国際展示場他で行われた第7回国際フードファクター会議にて、かつおだしの血糖値上昇抑制効果に関する研究発表を行った。国際フードファクター会議とは、世界中から1,000名以上の食品の機能性研究分野の研究者が参加し、最新の研究成果を発表する最大の国際会議の1つで、4年に1度開催されている。同社は2019年10月に「だし活プロジェクト」を発足し、鰹節屋・だし屋として、鰹節・だしの「おいしさ」と「健康」を追求するため、かつお節・だしの持つ付加価値・健康価値の研究に取り組んでいる。今回、同社が実施したヒト試験にて、かつおだしを食前に摂取することで食後の血糖値上昇を抑制できること、その効果を発揮している成分はジペプチド(Ala-Trp)で、ジペプチジルペプチダーゼⅣ阻害活性を有することを明らかにした。同社は、健常な成人男性20名を対象にヒト試験を行実施。被験者は、かつおだしまたは白湯150mlを摂取してから30分後に白米を摂取し、食前から食後150分後までの血糖値の変化を調べた。その結果、かつおだし摂取時と白湯摂取時の血糖値を比較すると、かつおだし摂取時のほうが食後の血糖値が有意に低下することがわかった。研究発表を行った関英治研究員は、「食後に生じる血糖値上昇から正常値への復帰は、健常者ではインスリン(血糖低下ホルモン)の作用により体内の代謝系で自然に行われています。運動不足による肥満や食事過多による耐糖能異常状態になると、食事摂取2時間後あるいは空腹時においても高血糖値が続き慢性化します。国際学会において、かつおだしの食後血糖値上昇抑制作用機序(ジペプチジルペプチダーゼⅣ阻害を介したインスリン代謝系メカニズム)およびペプチドの特定・腸管吸収部位を初めて明らかにしました。」とコメントした。【研究発表概要】■演題名:Dipeptidyl PeptidaseⅣ Inhibitory Activity of Bonito Dashi in Humans ■発表者:関英治 ■発表日:2019年12月3日(火) ●URL:http://icoff2019.umin.jp/