健康ニュース 6月1日号 丁字路とT字路?

     

隠居中の大御所 暈穀菜「お~、いいところであった。一寸聞きたいことがあるんだが・・・」

隣家のインテリ夫人「何でしょう?またいちゃもんを考えたのですか?少しだけなら・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「君の考えを聞きたくてね。先日勉強会開催のパンフレット案を作り責任者に送ったんだよ。校正されたものが届き、良く見たら驚くことがあってね。この赤ペン部分だがどう思うかな・・・」

隣家のインテリ夫人「赤ペン部分といいますとこの道案内説明部分のことですか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「そうだよ。ワシは丁字路を右へ…と書いておいたのだがね」

隣家のインテリ夫人「良く見ても変わっていないですね。どこを訂正してあるのでしょうか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「う~ん、君も同じなのか・・・。よ~く見て欲しい。というよりも読んでみてくれないかな」

隣家のインテリ夫人「読むのですか?・・・T(ティ)字路を右へ・・・ですよね」

隠居中の大御所 暈穀菜「やはり君もそう読むのかね。時代が変わったね」

隣家のインテリ夫人「あ~じれったいですわ。何をおっしゃりたいのですか!」

隠居中の大御所 暈穀菜「T(ティ)字路は本来なら誤った言い方ということを言いたいのだよ。正確には丁(てい)字路というのだね」

隣家のインテリ夫人「発音の違いを言っておられるのですか?細かすぎません?」

隠居中の大御所 暈穀菜「発音ではないよ、文字自体が違うのだ。丁(てい)は漢字だがT(ティ)はローマ字だ。丁字路の丁は甲乙丙丁・・・という十干(じっかん)十二支で使われている漢字の一つであることぐらいは知っているだろう。校正したという者に丁(てい)字路と言ったら、訛っていますね!と言いやがった。まったくけしからんよ。これでは正しい表現が誤ったものとされ、誤用の言い方が正しいこととなってしまうな」

隣家のインテリ夫人「へ~、そうですか。はじめて知りましたわ。甲乙丙丁ぐらいは聞いたこともありますが・・・。T(ティ)字路でなく丁(てい)字路なのですか・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「校正担当者に言ったところ、役不足で申し訳ありません、と言っていた。こういうのを開いた口が塞がらないというのだね」

隣家のインテリ夫人「でも担当者の方も素直に謝ったのですね」

隠居中の大御所 暈穀菜

「なに?君もそう思うのかい?役不足という意味は、今やっている校正は自分にとっては簡単すぎる仕事だ、もっと重い責任のある仕事を与えてほしいと言う意味だ。このような場合は力不足で申し訳ない、と言うべきなんだよ。まったく情けなくなるよ」

隣家のインテリ夫人「へ~、そうですか。今日は本当に勉強になりましたわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「本当に時代の変わりを感じるな。気分転換にのどを潤そうかね。珍しい地ビールをいただいたから乾杯しよう!」