サントリー「再資源化事業に取り組む共同出資会社」設立

      執筆者:motoe

サントリーMONOZUKURIエキスパートは、東洋紡、レンゴー、東洋製罐グループホールディングス、J&T環境、アサヒグループホールディングス、岩谷産業、大日本印刷、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所のプラスチックのバリューチェーンを構成する12社で、持続可能な社会の実現に向けて、プラスチック課題解決に貢献すべく、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社、アールプラスジャパン(代表取締役社長:横井恒彦 所在地:東京都港区)を設立し、6月から事業を開始した。今後も同社は広く出資を募る予定で、現在、住友化学なども出資への検討を進めている。サントリーグループは、「人と自然と響きあう」という企業理念、ならびに理念に基づく「水と生きる」というステークホルダーとの約束の実現を目指し、グローバルにサスナビリティ経営を推進しており、2019年5月には、「プラスチック基本方針」(https://www.suntory.co.jp/news/article/13473.html参照)を策定。2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、100%サステナブル化を目指していくとしている。2012年からは、米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社と、植物由来原料100%使用ペットボトルの共同開発に取り組んでいるが、この開発の中で、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術の開発可能性を見出すことに成功。これにより、ペットボトルのみならずその他のプラスチックも、リサイクルによる再生循環利用への道が開けると考えているという。ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されていると言われているが、今回の技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待しています。この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができる考えられている。今回設立された同社は、アネロテック社とともに、この環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を推進。世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指していくとしている。【会社概要】■会社名:アールプラスジャパン ■事業開始:6月5日 ■本社所在地:東京都港区台場2-3-3 ■代表取締役社長:横井恒彦 ■事業内容:使用済プラスチックの再資源化技術の開発・実用化推進