ナチュラルチーズ 家庭用消費量3.5%増

      執筆者:編集部

2019年2月に発効された日欧EPAによる関税の段階的な引き下げで、ヨーロッパ産のチーズに注目が集まっている。2020年7月17日、農林水産省は最新の「チーズの需給表」を公表。2019年のチーズ総消費量は35.8万トンで前年比101.5%となり、過去最高を更新した。中でも、ナチュラルチーズの消費量は21.7万トン(前年比103.5%)と躍進している。2009年度の14万トンと比べると1.5倍以上となっている。また、農林水産省が発表している「食料需給表」によると、チーズの国民1人当たり年間消費量は2019年度推定値で2.84kg、2009年の1.97kgと比べると1.5倍近く増加している。今年は新型コロナウィルスが世界的に蔓延。感染拡大の影響、特に日本では4月の緊急事態宣言を受けて、飲食店や小売店などは営業時間短縮や臨時休業に追い込まれ、業務用チーズは大苦戦を強いられていたが、学校の休校や企業のリモートワークへのシフトによる巣ごもり消費が拡大したことで、家庭用チーズの需要は高まった。「2人以上世帯の1世帯当たりのチーズの消費支出額(「GD Freak」調べ:総務省「家計調査」を元に作成)」は2020年7月、前年同月比13.5%増の556円。直近12ヶ月の平均では10.4%増。2010年1月以降、一貫して増加傾向を辿っている、給食や外食からの代替、さらに家で過ごす時間が増えたことで「ゆっくりとおいしい食を楽しみたい」といった志向も加わり、調理用のチーズはもちろん、健康イメージのあるチーズが「家飲み」のおつまみとして利用されている。