健康ニュース 1月15日号 寒さとコロナ対策

     

 いつまでコロナ騒動が続くのでしょうか、気になりますね。安全対策として換気が盛んに言われています。この時期電車に乗って座席に座り、発車直後首をすくめるほど外の寒気が入ってきます。コロナ対策として窓が開けられているのです。寒さが最も厳しくなるこの時期に、大変参考になる情報が届きました。

 住宅ジャーナリストの山本久美子氏が次のような発表をしています。

 「寒さで命落とす人、熱中症と変わらず」というタイトルで始まっていますが、要旨は以下の通りです。

厚生労働省統計資料によりますと、熱中症で亡くなる方は年間1581人。

低体温で亡くなる方は1278人(2018年)。2017年までは低体温で亡くなる方のほうが、熱中症が原因で亡くなる方を上回っていました。

 しかも熱中症発症と同様に、低体温症も3割近くが室内で発生しているとのことです。

 同氏のレポートは、某優良住宅メーカー発行の書籍「あたたかい暮らしの秘密」を紹介し、次のことを述べています。

 低体温症になる危険な住宅の場所は➀寝室②洗面所・浴室・トイレであります。

 寝室は、(居間などに比べると)低温気味であります。加えて高齢者にとっては、体温も下がり気味な上、深部体温がさらに下がり、低体温症に陥りやすくなるというのです。

 洗面所などの温度は、暖房の効いている居間のそれに比べると低く、温度差が生じやすいということです。室温の高い場所から低い場所への移動。この際に生じる温度差が血圧の変化を引き起こし、結果としてヒートショックにつながっていくということです。

 さらに、寝室では起床時、布団から出た際に同様の血圧変化が起き、ヒートショック状態になりやすいということです。高齢者や高血圧の方などは特に留意すべきことでしょう。

 また寝室は洗面所や浴室、トイレと異なり水回りのない場所ですが、日中は不使用のことが多く、他の部屋に比べて温度は低くなっていることが多いということです。昼間は暖房も使っていないことが多く、就眠時にそのままの状態で布団に入ると、低体温に陥るリスクも高くなるということです。就眠時の低い室温が呼吸する際、低い空気を吸うことにより継続的に体を冷やし続け低体温症の引き金となっていくのです。

加えて高齢者は体温調整機能が年々低下していきます。暖房を使わないという環境下では特に低体温症が重症化するリスクも高くなりますので、十分注意するように呼び掛けています。

 考えてみますと熱中症対策とほとんど変わらないことに気づきます。もちろん温度に関しては正反対ですが・・・。

 首都大学東京の須永修通名誉教授は同書の中で次のように述べています。

 「熱くも寒くもない温度は、室温20度~22度、湿度40~70%です。寝室にも温度計と湿度計を備えることが必要ですね。

 加えて昔から言われているように頭寒足熱は鉄則で、頭回り21~22度、足元は25~26度が理想的。これで頭すっきり、体ポカポカが可能です」

換気で窓を開ける時も、時間をかけて細く開けるなどの工夫が欠かせません。くたばれコロナ!と叫ぶ前に、コロナに負けない工夫が、問われているのかもしれません。