キリングループ「持続可能な生物資源利用行動計画」改訂
執筆者:shirai
キリンホールディングスは、生物資源に関する中長期的行動指針を示した 「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」(https://www.kirinholdings.com/jp/impact/env/policy/e_policy/)を7月に改訂した。同社は自然の恵みを原材料に、自然の力と知恵を活用して事業活動を行っており、生物多様性の保全は重要な経営課題であると認識し、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を契機とした「キリングループ生物多様性保全宣言」の策定、原材料農産物のリスク評価の上で2013年に策定した「キリングループ持続可能な生物資源調達ガイドライン」「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」(2017年に改訂)の下で取り組みを進めてきた。直近の生物資源に関する取り組み事例として、2020年末には、国内の飲料事業が使用する全ての紙容器でFSC認証紙使用比率100%を達成しています。また、自然と作り手を守りながら、より持続可能な農法に取り組むと認められた農園に対して与えられるレインフォレスト・アライアンス認証(www.rainforest-alliance.org/lang/ja)取得を支援する取り組みでは、スリランカ全土の認証取得済み紅茶大農園の約3割に相当する93農園が同グループの支援で取得している実績を元に、本年8月に初めてスリランカの認証農園の茶葉を90%以上使用した「キリン 午後の紅茶 ストレートティー」250ml 紙パック(LLスリム)を発売するなどの成果を達成してきた。今回、外部環境の変化や従来の行動指針の達成状況なども踏まえ、「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」を再度改訂。対象品目を追加し、対象事業地域を拡大して、さらに対応を加速させていく。【改定内容】・紅茶:同社が使用する紅茶葉の主要な原料生産地であるスリランカで、紅茶農園の持続可能性向上を目指す。 ①調達先のスリランカの紅茶農園のレインフォレスト・アライアンス認証取得を支援し、認証取得農園数を増やす ②レインフォレスト・アライアンス認証マーク付きの通年商品で認知度を向上させる ③スリランカの紅茶農園にある水源地の保全を行う ・紙:2020年に達成したキリンホールディングス、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンでのFSC認証紙または古紙の使用比率100%を継続し、海外を含めたグループ会社全体に拡大していく。 ①紙製容器包装は、2030年までに持続可能性に配慮したことが確認された紙を100%使用 ②その他の紙は、持続可能性に配慮したことが確認された紙、または古紙を使用する ・パーム油:国内事業が1次原料および2次原料として使用しているパーム油について、RSPO認証証明取引を利用して100%対応する。 ①1次原料はRSPOの認証クレジットを利用して対応。2030年までにはRSPO認証パーム油の調達を開始し、順次切り替えていく ②2次原料は、RSPOの認証クレジットを利用して対応。RSPO、サプライヤー、NGOおよびさまざまなステークホルダーと連携し、調達先がRSPO認証パーム油を原料として使用できるように取り組みを行っていく ・コーヒー:キリンビバレッジが使用するコーヒー豆の主要な原料生産地であるベトナムで、コーヒー農園の持続可能性向上を目指す。 ①ベトナムのコーヒー農園のレインフォレスト・アライアンス認証取得を支援し、認証取得農園数を増やす ②ベトナムのコーヒー農園の保水能力を向上させる ・大豆:キリンビールが使用する大豆およびその加工品において、持続可能性の高い農園の大豆を使用していく。 ①調達先の大豆農園を特定する ②特定した大豆農園の持続可能性を確認する