「プラスチックは悪くない、捨てる人間が悪い」 その2

     

2021年10月 「プラスチックは悪くない、捨てる人間が悪い」 その2

 前回、コメントしましたリサイクルマークに関しまして、紙、スチール、アルミ等々各種のリサイクルマークがありますが、悪者扱いされているプラスチックのみに焦点を当ててコメントして頂きました。

今回は、プラスチックのエコマークについてコメントしたいと思います。

皆様右の写真は、スーパーの袋です。最近、三つ葉(四つ葉?)のクローバーのマークやBPマークを見たことがあると思います。

このマークは、材料の中にどの程度自然由来の材料を混ぜているかという表示です。数字は、混ざっている自然由来の物資の割合(重量比)です。混ぜる材料は、木粉だったり卵の殻だったり紙粉(古紙)だったり、竹粉やコーヒー粉の使ったものとかホタテの殻とか現在では、いろいろあります。但し、添加することで元のプラスチックに悪影響をおよぼして破れやすくなったりしないよう特別な処理をしていることが多いです。

写真の緑色のマークは、バイオマスマークといって一般社団法人日本有機資源協会(JORA)が認定・運営管理しています。http://www.jbpaweb.net/

青色のマークは、バイオプラマークといって日本バイオプラスチック協会(JBPA)が認定・運営管理しています。https://www.jora.jp/aboutus/profile/

マークの名前が似ているので分かりにくいですよね。どちらも資源環境循環型のプラスチックですが、簡単にいいますと製品のエコ度と使用材料の表示違いと考えてよいと思います。少し詳しい違いは以下のようになります。(詳細は、各協会のホームページ参照してください)

緑色のバイオマスマークは、従来の石油原料プラスチックの代替として、バイオマス(=自然由来)を原料とした製品に付与するもので、事務用品や容器包装など幅広い分野でバイオマス製品が活用されていますので、その製品に表示されるもので、下記のバイオプラスチックを原料とした製品も含むことがあります。

青色のバイオプラマーク(BP)は、自然の中の微生物のはたらきにより分解されて最終的に二酸化炭素や水になる成分を含む「生分解性プラスチック」と, 再生可能な有機資源原料(サトウキビ、トウモロコシ等)を含むもしくはそれから作られたプラスチックを意味します。一般の人に使用している原料が自然由来のプラスチックであることを分かりやすく表示するものです。このバイオプラスチック材料については、少し化学的理解がいることから次回分かり易く説明します。

バイオマスマークには、下記の種類があります。最近の改訂でバイオ(自然)由来素材比率が細かく分類されるようになりました。

ここで注目すべきは50以上の表示です。先にも述べましたが、この数字はバイオ(自然)素材比率です。前回の食品容器包装法によるリサイクル対象となるプラスチックは、最も多い材質がプラスチックであることが規定されています。すなわち自然由来の木粉材等を50%以上含んでいるときには、プラスチックリサイクル管理の対象外となります。具体的には、プラスチックとして回収しなくてもよく一般ごみとして燃やすことできます。

 ここで私が訴えたいのは、皆様が誤解しないように注意して頂きたいとのことです。これらのマークは、環境循環型プラスチックを明確にするための表示です。環境循環型とは、木など植物→原料精製→プラスチックと混合→製品化→使用後ゴミとして燃やす→C02の発生→木等直物が吸収成長→次の原料というサイクルです。(右のサイクル図を参照願います)

あくまでも二酸化炭素排出抑制(カーボンニュートラル)を目的としています。最初の写真に写っているポリ袋の数字は25ですから25~30%の自然素材ということで、残りは通常のプラスチックですから燃やさないで捨てると河川や海の汚染、マイクロプラスチックの原因にもなるということです。

環境配慮といっても様々な取り組みがあります。使う私たちは、マークがついているとなんでも環境にやさしいと安心してしまいがちですがイメージで構いませんので理解して頂き適切な処理方法・分別をして欲しいのです。

先程のバイオマスマークの表記数字は使われている素材の中でのCO2(二酸化炭素)サイクルです。当然、材料を作るとき、製品を作るときに電気を使いますし、郵送する際にトラックの燃料も使いますのでそれぞれの工程で発生するCO2も考慮しなくてはなりません。産業全体でCO2を減らす活動がカーボンニュートラルです。その意味からも使用量を減らすことは全体に効果があると言ってよいと思います。

 次回は、バイオプラスチック材料についてコメント予定です。

繰り返しですが路上へのゴミのポイ捨てはマークがついていても絶対にやめましょう。