健康ニュース 11月1日号  就眠前の目薬はダメ?

     

隣家のインテリ夫人「昨夜のことなのですが、娘が寝る直前に目薬を注そうとしていたので、寝る前に目薬をしちゃだめだよ、って言ったところ、何故?と怪訝な顔をするのです。昔からそう言われていると言ったところ、そんなこと迷信じゃないの?というのですよ。こんな時は何と言えば良いのでしょうか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「確かに昔は寝る前に目薬を注してはいけない、と言っていたよね。その理由を知っていないから、何故ダメなの?と言われたら説明ができないというわけだな。今の目薬は、寝る前に注してもまったく健康上は問題ないよ。むしろドライアイの傾向のある人などには、寝る前の目薬がプラスになるかもしれないな」

隣家のインテリ夫人「昔の目薬と今の目薬は成分でも大幅に違っているということですか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「適格に言うとそういうことだね。具体的に言うと、目薬に使用されている防腐剤の質が、今では極めて安全性が高くなっているということかな。昔使われていた目薬の防腐剤はかなり強力であったのだね。だから就眠前に注すと、目に防腐剤が残って、良い影響を与えないだろうと考えられていたのだな。今では目に影響を与えるのが極めて少ない防腐剤が使われている。主に塩化ベンザルコニウムというもので、目薬を差した後すぐ眠ってもほとんど問題にならないと言われているよ。さっきも言ったようにドライアイの心配な人はむしろ積極的に寝る前の使用を推奨している医者もいるからね。だから娘さんがなぜ?と言ってきたのも当然なことと言っても良いだろうね」

隣家のインテリ夫人「そうですか・・・。娘にも言っておきますわ。私の若いころの言い伝えや習慣で判断してはいけないのですね」

隠居中の大御所 暈穀菜「確かにそうだね。ではわしからも質問をしたいのだがね。先日コーヒー店で一休みしていた時、それとなく高校生の会話が耳に入ってきた。その中の一人の眼が明らかにものもらい状態だった。その彼が言うには、親が眼帯使用を勧めるが、掛かっている医者が眼帯はしなくて良いというので親に逆らっている、というのだね。君なら眼帯を勧めるかな?」

隣家のインテリ夫人「ものもらいの状態にもよるのでしょうが・・・。どうしますかね。分かりませんわ。でもお医者さんの指示なら間違いないと思いますね」

隠居中の大御所 暈穀菜「これも結論から先に言っておこうかね。君も知っている通り昔は、ものもらいの時には眼帯が使われていた。今では眼帯使用によるデメリットが分かったのだね。成長真っ盛りの子供が眼帯を例え数日間でも使用することによって、視力が一気に落ちてしまうことが分かってきたという。眼帯を使用し続けることで、眼が勝手に見えなくても良い物と判断してしまうというから恐ろしいことだね。もっとも君の歳では必要な時は眼帯をやったほうが良いね。おや、もうこんな時間だ。今日は目に良いと言われる鳥レバを準備してある。冷酒で一杯始めようね!」