キリン「熟成ホップ」のメンタルヘルス改善効果を確認
執筆者:shirai
キリンホールディングスは、三井不動産と共同で「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)の住民や通勤者100名を対象に、キリンの独自素材「熟成ホップ」を含むノンアルコール・ビールテイスト飲料を用いた実証研究を行い、メンタルヘルスに対する改善効果を確認した。この研究成果は、2021年11月5日に国際科学雑誌Nursing and Health Sciences誌に掲載された。近年、高齢者の認知症予防や認知機能改善に加え、幅広い年代での記憶力や集中力、メンタルヘルスなどの「脳や心の健康」への関心が高まっており。特に、新型コロナウイルス感染症の影響で生活様式が大きく変化したことによりメンタルヘルスの不調を訴える人が増加し、大きな社会課題となっている。同社では、食と「脳の健康」に関するさまざまな研究を行っており、2017年には、東京大学、学習院大学との共同研究で、ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸が、アルツハイマー病予防に効果があることを世界で初めて発見。さらに、ビール以外の多様な食品に展開が可能な、苦味を抑えた独自素材「熟成ホップ」を開発し、その中の成分である「熟成ホップ」由来のビール苦味成分が脳腸相関の活性化により、認知機能改善効果、アルツハイマー病予防効果、および抗抑うつ効果を示すことを非臨床試験で解明した。2020年には順天堂大学医学部との共同研究で、物忘れの自覚症状がある中高齢者対象の臨床試験を行い、「熟成ホップ」が認知機能とメンタルヘルスを改善することを確認した一方、中高齢者以外の幅広い年代の人に対する「熟成ホップ」の効果は明らかではなかった。今回の研究では、2020年8月から9月にかけて、「柏の葉スマートシティ」の住民・通勤者を対象に、「熟成ホップ」を含むノンアルコール・ビールテイスト飲料を3週間摂取することによる、メンタルヘルスへの作用を検証。23歳~72歳の男女(100名)を対象に、「熟成ホップ」を摂取しない期間(1週間)と摂取する期間(3週間)を設定し、1週間ごとにメンタルヘルスの状態を調査票によって評価した。また、労働のパフォーマンスを熟成ホップ摂取開始前と摂取3週間後に調査票によって評価。摂取前と摂取後を比較することで、「熟成ホップ」の有効性を検討した。その結果、メンタルヘルスの評価項目である気分の落ち込み、疲労感、不安感、活気・活力が、「熟成ホップ」摂取前と比較して、摂取後に統計的に有意に改善。また、労働パフォーマンスについても、「熟成ホップ」非摂取期間と比較して、摂取後に統計的に有意に改善するなど、「熟成ホップ」のメンタルヘルスへの効果は中高齢者に限定されたものではなく、幅広い年代に対して有効であることが示唆された。