健康ニュース 12月15日号 コロナの次の心配は・・

     

コロナの次の心配は・・・

わが国での新型コロナウイルス感染がようやく下火になった今、厚生労働省、各都道府県の健康増進課(同様のセクションを含む)が懸念して国民に呼びかけているのは、インフルエンザ流行の懸念及びその対策です。

2020年の全国でのインフルエンザ患者数は推計で1・4万人。これは新型コロナウイルスが蔓延する前年のインフルエンザ患者数に比べると大幅に減っています。

その理由として識者が挙げているのは、コロナウイルス感染予防対策として、国民の多くが「うがい・手洗い・マスクの使用」を徹底したためであり、これが結果としてインフルエンザ予防対策となり、患者数の大幅減少に結びついた、と言っています。

2年続いてインフルエンザ流行が低調に終わったことは、多くの日本国民がインフルエンザに対する免疫力が低くなっている、抵抗力が皆無に近い状態になっているということにもなります。

このような状態下では、インフルエンザ患者が出た場合、あっという間に大流行となる可能性が考えられます。インフルエンザの年間の感染者数は、例年だと1000万人から2000万人に達すると言われています。(統計方法によっては数値に相当な開きがあります)

健康教室などでは、「特に高齢者はインフルエンザ感染予防に全力を尽くしましょう!」と言いますと、「高齢者もそうでない世代の者も注意すべきでは?」という質問が時々出ます。

インフルエンザに感染した時、高齢者とそうでない世代では大きな違いがあることを認識されていないケースが多いようです。その違いとは・・・?

若い世代、分かりやすく理解いただくために子供を例に挙げておきますが、子供はインフルエンザに罹った時、親が驚くほどの高熱が出ます。子供は高熱を出すことによりインフルエンザに感染したことを親に知ってもらおうとしているのです。従って、お風呂に入れないとか、学校を休ませるという適切な応急措置をとれます。

一方、高齢者の場合はどうでしょうか?

間違いなくインフルエンザに感染しているにもかかわらず、普段通りの生活をするケースがほとんどです。何故なら発熱などの初期症状がほとんど出ないからです。それ故、お風呂に入ることなどはとんでもないことですが、普段通りに入浴をしてしまいます。翌朝、いつもなら起きてくる時間になっても起きてこない。家族が見に行くとベッドでぐったりしていた。慌てて救急車を手配した結果、肺炎ですから入院が必要です、という結果になってしまいます。これが老人性肺炎というものと考えて良いでしょう。

 この差は何故出るのでしょうか?

 一言で言いますと、免疫力の差と言えます。子供に比べると、高齢者は否が応でも免疫力は低下しています。肺炎の原因となる菌が侵入してきた際、子供だと高い免疫力がありますので、全身の免疫機能が働き、体に侵入してきた菌と闘い、その結果体温が異常に上がるのでしょう。

 高齢者は、免疫力が下がっているため、肺炎菌侵入時にも戦えるパワーが少なく、症状が出ないのでしょう。高齢者にも、肺が侵入菌と戦える免疫力を維持できる方策はないのでしょうか?目とか骨や肝臓には機能を維持改善する薬やサプリメントがあります。肺の機能を維持する保健薬やサプリメントが高齢者のために開発され、容易に手に入る時代が待たれます。