健康ニュース 9月15日号 敬老の日にちなんで

     

 今年の9月19日(月)は敬老の日です。老人福祉法制定に伴い、「老人の日」であった9月15日は、1966年に国民の祝日「敬老の日」となり親しまれていました。その後、祝日法改正、いわゆるハッピーマンデー法により、2003年から「敬老の日」が9月第3月曜日に変更されたことは多くの方が知っていることと思います。

 一方、敬老の日が9月第3月曜日に変更されましたが、老人福祉法改定により、9月15日は「老人の日」であり15日から21日は「老人週間」となっていることを理解している方は少ないようです。

 さて、今や世界に誇る長寿国となった日本ですが、健康長寿のための食生活が、大きな転換期を迎えようとしています。

「肉より魚を食べるほうが良い」とか「肥満は健康にマイナス」「食べ過ぎてはいけない」「ファストフードはカロリーだけが高く健康的とは言えないから避けるべき」といった巷の説は、高齢者といわれる層では無視したほうが良いという説です。

 限られたスペースですが、日経Gooday6月に記載された佐々木淳氏(医療法人社団悠翔会理事長・診療部長)の説に、我が意を得たり!と感じることが多数あり紹介させていただきます。

 *「年を取ったら食事は質より量」・・・肥満が良くないのは若い人の場合。年を取ったら食事で大切なのは、とにかく食べること。痩せているよりむしろ太ったほうが良いのです。

 働き盛りの年代では、内臓脂肪の蓄積、血圧や血糖値といったメタボに注意しなければならないのは当然ですが、あくまでも働き盛り年代ということです。

 佐々木氏はさらに大意、次のように述べています。

 高齢になれば生活習慣病があってもなくても、加齢によってある程度は動脈硬化が進んでいます。この状態になるとその予防は、若いころほど意味が無くなっています。(中略)高齢になると血圧や血糖とは別のリスクが出てきて、そのリスクを避けるためにはよく食べ、太ったほうが良いのです。

 さてそのリスクとは・・・

フレイルです。

 フレイルとは、①体重減少(ダイエットをしていないのに6か月で2㎏程度減少)②握力低下③疲労感④歩行速度低下⑤身体活動量低下(週に1回も運動していない)。この5項目中3項目以上が当てはまるとフレイルと診断されます。

 さらに佐々木氏はもっと分かりやすい例を挙げています。

*ペットボトルのキャップが明けられない*片足立ちで靴下がはけない*信号が青のうちに横断歩道を渡り切れない*15分以上歩けない*食事の量が落ちてきた*体重が減ってきた*食事中にむせることが多くなった*ふくらはぎの太い部分を、両手の親指と中指で輪を作り、ふくらはぎを包むと隙間ができる。

一つでも当てはまることがあれば、フレイルの可能性があり、生活習慣病よりもフレイル対策を優先すべきとあります。

佐々木氏の結論は、高齢者の食事は一にカロリー、二にたんぱく質摂取を鉄則とし、レストランなどに入った時も、メニューで迷ったならばカロリーの高いほうを選ぶべし!とあります。

また興味深いことに、ハンバーガーショップなどのファストフード店のメニューは、高カロリー、高たんぱくで太りやすいと言われていますが、高齢者のフレイル対策としては持ってこいの飲食物と述べています。

高齢者を対象とした専門医が薦める食事メニュー「サアニギヤカ(に)イタダク」には、油、肉、卵といった高カロリー食材がいっぱいです。年を取ったら脂っこいものよりあっさりしたものが良い、肉より魚が良い!という考えは間違いなく過去の食習慣といえます。