キリン×スギ薬局「ボトルtoボトル」リサイクル開始

      執筆者:shirai

キリンビバレッジはドラッグストアを展開するスギ薬局と協同し、3月より埼玉県内のドラッグストア「スギ薬局」6店舖を対象に、使用済みペットボトルを回収してペットボトルに再生する「ボトルtoボトル」水平リサイクルを開始する。日本では、使用済みペットボトルは回収された後、幅広い用途でリサイクルされることが多いため、2021年の「ボトルtoボトル」水平リサイクルの実施割合は20.3%と低いことに加えて、一度ペットボトル以外のPET製品に再生されたものを、ペットボトルに再生することは技術的に困難となっている。また、回収される使用済みペットボトルにはゴミなどの異物が混在していることも「ボトルtoボトル」の推進を阻害する要因になっており、リサイクルに適した良質な使用済みペットボトルを安定的に確保することが喫緊の課題となっている。さらに、プラスチックを循環し続ける社会の実現のためには、再生PET樹脂のコストを低く抑える必要があるため、回収スキームの効率化も課題となっている。本取り組みでは、「スギ薬局」に新たにリサイクルボックスを設置するとともに、ポスターなどでリサイクルボックス設置目的の啓発を行い、異物混入を減らし、ラベルとキャップを剥がし洗浄した状態の良質な使用済みペットボトルを回収することを目指す。店頭で回収した使用済みペットボトルは、「スギ薬局」店舗に商品を配送した帰りの便のトラックで店舗から「スギ薬局」物流センターまで運搬。その後、圧縮加工を行う会社が減容処理を行った後、リサイクラーである遠東石塚グリーンペットにて樹脂再生を行い、その後、同社が再生PETを使用した容器の飲料の製造を行う。これら一連のペットボトル回収は、アラインのオンラインシステムによって、リサイクラーへの搬入量がリアルタイムに可視化される。 同社とスギ薬局が協同してリサイクルモデルを確立し、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進に貢献し、自治体による資源物回収日以外でも使用済みペットボトルをリサイクル資源として供出できる場を創出する。