キユーピー「ドレッシングが食後の血糖値上昇抑制」

      執筆者:motoe

キユーピー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長執行役員:髙宮満)は、2022年8月に、炭水化物の前に野菜サラダを摂取すると、食後の急激な血糖値上昇が抑制されることを確認し、日本食品科学工学会で発表。今回はこれに次ぐ第二の検証として、野菜サラダと一緒に食べることの多い“ドレッシング”が食後の血糖値上昇にどう影響するのかを検証し、ドレッシング単体でも、食後の血糖値上昇が抑えられることを確認した。試験は、ドレッシング摂取の影響のみを検証するため、野菜サラダなどは用いず、ドレッシングのみを摂取して実施。また、食後の血糖値を上昇させる要因が糖質であることから、ブドウ糖を用いて糖質量を揃え、各試験食品(下記①~③)の糖質量が同じになるよう調整した上で試験は行われた。健常成人男性16名に対し、クロスオーバー試験にて、①ブドウ糖6g(対照)、②分離液状フレンチドレッシング50g+ブドウ糖2g、③乳化液状ごまドレッシング50g、を摂取させ(図1参照)、摂取前及び摂取後120分まで経時的に採血し、血糖値を測定。試験前日の食事は21時までに済ませ、その後は水分補給のみを可とした。試験食品は5分以内を目安に飲み切り、試験中に水500mlを好きなタイミングで飲み切ってもらったという。試験の結果、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)、③乳化液状ごまドレッシング、ともに、糖質量が同じ対照(①ブドウ糖)に比べて、食後の血糖値上昇が抑制されることが判明。②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)は摂取15分後に、③乳化液状ごまドレッシングは摂取15分後と30分後、45分後に、対照と比較して有意に低い値を示した。さらに、③乳化液状ごまドレッシングは、摂取前と比較して、血糖値をほぼ上昇させないことも判明。また、血糖値のIAUC(面積)を見ると、③乳化液状ごまドレッシングは、対照と比較して糖質の吸収を抑え、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)はその傾向があることも確認できまた。さらに、血糖値のCMAXからも、②分離液状フレンチドレッシング(+ブドウ糖)と③乳化液状ごまドレッシングがともに、食後の急激な血糖値の上昇を抑えることもわかった。なお、この研究成果については、3月11日に開催された、「日本食品科学工学会 令和5年度 関東支部大会」にて発表された。