健康ニュース12月15日号 七草にも色々あります!
日本はもちろん世界でも「七」という数字は大変好まれているようです。そんな中、日本人に親しまれている「七草」に関する話題です。
令和5年12月22日は冬至です。春の七草や秋の七草については「知っているよ!」という方が多いです。「では冬至の七草って知っていますか?」と質問すると「えっ?冬至の七草?初めて聞いた!」という方が多いです。
冬至の七草というのは
➀なんきん②蓮根(れんこん)③にんじん④銀杏(ぎんなん)⑤きんかん⑥かんてん⑦うんどん(うどん)です。
うんどん・・・江戸時代にはうどんのことを、「うんどん」と言っていたのですね。
この七つは全て「ん」が二つ付いています。冬至という暦の上では冬のど真ん中の日、明日からは春に近づく故「ん・・・運が数多くあるように」と願って冬至の七草を口にしていたのでしょう。
さらに「なんきん」は漢字では「南瓜」と書きます。陰の世界から陽の世界へ向かう冬至の日、「南」という文字のある南瓜は縁起良い食べ物と考えたのでしょう。
栄養学的に考えても、冬季は、緑黄色野菜摂取が難しい時期でもあります。そんな冬時にも緑黄色野菜の栄養を摂れる「なんきん」は貴重な食べ物だったのではないでしょうか
余談ですが、冬至にはゆず風呂に入る習慣があります。
ゆず湯には、血行促進や保温効果があると言われていますが、冬至の時期が旬のゆずは、香りが強く邪気を防ぐという言い伝えがあります。現代人も入浴効果を求めるだけではなく、古人が信じてきた風習に思いを巡らせながら、冬至の入浴を楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。
では冬の七草をご存じでしょうか?冬の七草も春や秋の七草に比べるとご存じない方が多いようです。
冬の七草というのは
➀ネギ②白菜③大根④春菊⑤ほうれん草⑥小松菜⑦キャベツです。
「何だよ、鍋料理の野菜じゃないか」と思われる方も多いことでしょうね。
実際に料理研究家の方とか栄養士、調理師の方々は「鍋料理の七草」と言っていることが多いようです。ミネラル豊富な鍋野菜を食べて、厳しい寒さを乗り越えようという古人の知恵が滲み出ていると思いませんか。
日本人なら多くの方が知っている春と秋の七草。加えて冬の七草があるのならば、夏の七草もあって良いのではないか、と当然考えることと思います。
夏の七草には、二通りもありました!
夏の七草とは
A➀葦(よし)②い草③おもだか④ひつじ草⑤はちす(はす)⑥河骨(こうほね)⑦鷺草(さぎそう)
B➀あかざ②いのこづち③ひゆ④すべりひゆ⑤しろつめくさ⑥ひめじょおん⑦つゆくさ
Bは、春や秋の七草のように行事食や鑑賞用の七草ではありません。Bの夏の七草は、第二次世界大戦中の1945年に、日本学術振興会学術部が食糧難であっても食べられる草として、焼け野原でも生える生命力の強い植物を7種類選定したものです。
冬至の七草があるなら、当然夏至の七草もあるのでは、と考えますよね。そうです、夏至の七草は次の通りです。
➀オカワカメ(雲南百薬)②ミント③ヨモギ④ミツバ⑤水前寺菜⑥長命草⑦空心菜(くうしんさい)
その他、海の七草というのもありました。
➀アラメ②ワカメ③クロノリ④アカクモ⑤アオサ⑥メカブ⑦ヒジキ
ご存じとは思いますが、春と秋の七草も書いておきます。
春の七草・・・
➀セリ②ナズナ③ゴギョウ④ハコベラ⑤ホトケノザ⑥スズナ⑦スズシロ
秋の七草・・・
➀ハギ②キキョウ③クズ④フジバカマ⑤オミナエシ⑥オバナ⑦ナデシコ
自然と密着した祖先の生活の知恵。後世にもぜひ伝え残したいですね。