キリン「農地の炭素貯留量予測サービス」利用開始
執筆者:shirai
キリンホールディングスは、サグリが提供するサプライチェーンにおける農地の炭素貯留量予測サービスの利用を2024年11月より開始した。キリングループはSBTiがFLAG目標設定を求める対象セクターに所属しており、今回、FLAG排出へ対応するために、同取り組みを行い、今後、農業由来のGHG排出量と炭素貯留量の算定を行い、キリングループのサプライチェーンの農地における脱炭素化を目指す。サグリは、衛星データとAI技術・区画技術を掛け合わせたデータプラットフォームを構築し、農業分野における課題解決に取り組むスタートアップ企業。キリンは、CVCファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND(キリン ヘルス イノベーション ファンド)」を通じて2024年4月にサグリへ出資し、同社と共にキリングループのサプライチェーンの農地における脱炭素化を検討してきた。今回、サグリとの共同取り組みの第一弾として、ビールの原料となる大麦を供給する海外のサプライヤーと協業して、大麦を栽培する農地における炭素貯留量の予測を実施。今後は対象地域や農作物を拡大し、キリングループの「バリューチェーン全体のGHG排出量をネットゼロにする」という「キリングループ環境ビジョン2050」の長期目標達成を目指していく。世界のGHG排出量の内、FLAG排出は、約24%と世界の排出全体の約1/4となっています。キリングループでは、2024年4月より「キリンサプライチェーン環境プログラム」を開始しており、GHG Scope3排出量の削減に向けた取り組みの一つとして環境再生型農業を推進してきた。今回の取り組み以外にも、2023年10月より、レインフォレスト・アライアンスと共同で、環境再生型農業への移行を促すツールである「リジェネラティブ・ティー・スコアカード」の開発を開始。また、「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」においては、農研機構の協力を得て、気候変動の緩和策であるバイオ炭による炭素貯留効果を評価する共同研究を2024年3月より新たに開始した。<参考>・キリングループ環境ビジョン2050 https://www.kirinholdings.com/jp/impact/env/mission/ ・キリングループ「環境報告書2024」 https://www.kirinholdings.com/jp/investors/library/env_report/