<コンビ二創業戦記・別伝>「DCVS回想録」第7回
2017/01/27
<日本フランチャイズチェーン協会活動の思い出>(その3)
「アメリカに学べ}
「アメリカに学べ」という言葉を、日本の小売りをはじめとする流通業が、戦後の焼け野原からの再建と復興、新しい成長を目指していく過程で、共通のスローガンとしたことは衆知の通りである。
日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が、フランチャイズ・ビジネスの先進モデルをアメリカに求めたのも、当然の成り行きであった。
JFAは、設立の年。昭和47年(1972)には、アメリカフランチャイズ協会(IFA)と正式に提携、その協力の下に、翌年の昭和48年(1973)からは、JFA会員企業を中心に、米国フランチャイズ先進企業を訪問研究する「米国フランチャイズ・チェーン研修視察」ツアーをスタートさせ、、以後毎年、実施されていく。
昭和52年(1977)には「JFAアメリカフランチャイジング・セミナー」と名称を変え、通算すると25回ほど続いたものと思う。
私は協会加入直後にこのセミナーに参加したことがあるが、その時は米国流通の現状を初めて体系的に把握しようと、ニューヨーク、ダラス、ロスアンゼルス、サンフランシスコなどの商業施設を見学したが、緊張感もあり、無我夢中の内に終わったような気がする。
特にセブンイレブンやサークルK,、AMPM、ミニストツプなど、米国本場のコンビニエンスストアを注目して見て歩いたように記憶している。何れのチェーンも、眩しく輝いて見えたものである。
「第12回JFAアメリカフランチャイジング・セミナーへの参加」(1)
昭和62年(1987)の「第12回JFAアメリカフランチャイジング・セミナー」には、私はツアー団長として参加した。
私にとっては5度目の米国ツアーであった。
このツアーは、アメリカ西海岸のロアンゼルスからサンデイエゴ、サンノゼ、カールスバツド、カーメル、サンフランシスコなどを回る12日間の日程であった。
コンビ二チェーン、外食チェーン、サービスビジネスチェーンなど、JFA会員企業16社の幹部や社員・37名が参加したが、研修姿勢は極めて真面目で、みな真剣であったといえよう。
その行程の概略は、次の通りである。
11月 6日(日) ロスアンゼルス空港着 「ビバリーヒルズ」
「メルローズ・アヴェニュー」
「ロデオドライブ」「ウエストウッド」を視察。
「ホリデー・イン・ウエストウッド・プラザ泊
11月 7日(月) 午前中、ホテルにて、リソースキー女子による
講義「アメリカの消費市場とニュービジネス」を受講。
午後、「ラブエンテ」地区店舗視察、
デイナー・レストランで食事。
11月 8日(火) 「ボンズパビリオン」「カミング・ユーロピアン・フラワー」
「ザ・ガレリア・アット・サウスベイ」「ホーソン・ブルバード」
「ニューポート・ファツション・アイランド」などSCを視察。
11月 9日(水) 「メーンプレース・SC]「マーケット・オン・ザ・レイク」
「グラフィツク・ギャラリー」「ミミズカフェ」を回り、
当時世界最大の「サウスコースト・プラザ」を視察。
「サウスコースト・プラザ・ホテル」泊
11月10日(木) 「デイズニーランド」を半日ゆっくり楽しみ、
「ハーバータウン・カントリー・SC」を視察、
11月11日(金) サンデイエゴ、サンノゼ、カールスバツドを視察後、
リゾート地カーメルの「ラ・コスタ・ホテル&スパ」へ。
ここで3泊し、アメリカン・リゾートライフを経験する。
11月12日(土) 午後「キャナリーロウ」で昼食。
有名な高級リゾート地「ベブルビーチを視察。
11月13日(日) 早朝からゴルフをワンラウンド楽しむ。
午後「カーメルプラザ」SCを視察。
11月14日(月) 早朝空路サンフランシスコへ向かう。
「サンマーテイン・ワイナリー」
「コンセンテイーノス」「スタンフォード・SC」
「ツインピークス」を視察後,チャイナタウンで食事。
「ホリデー・イン・ユニオンスクエアー」泊。
11月15日(火) 午前中、サウスランド社国際開発担当・グラント・ミラー氏
の「米国におけるフランチャイズビジネスの現在」と
同社ヨーロツパ・アジア担当・ジム・ソーントン氏による
「セブンイレブン及びサウスランド社の現況」の講義。
午後は、ゴールデンゲートブリッジと対岸の高級住宅地
「ザ・ヴィレッジ・アット・コルテマデラ」の商店街を視察。
11月16日(水) ホテルにて、今回のセミナーに参加しての感想発表会を
開き、 盛り上がる。
それぞれに個性的な感想を述べるが、
何れも非常に充実した貴重な体験というのが共通点だ。
その夜、サンフランシスコ空港より帰国の途に着く。
<サンフランシスコにて参加者一同記念写真><セミナーテキストの1例>
その間、14箇所のショピングセンター、10箇所のショピングストリート、10箇所のイーテイングプレースを視察、百貨店、SM,DS,SS等の代表的な小売り業態の有名チェーン店、各種フードサービス・チェーン店、幾つかのCVSチェーン店など多くの店舗を見学した。
加えて、二度の内容ある講義「アメリカの消費市場とニュービジネス」及び「米国のフランチャイズビジネスの現在とセブンイレブン・サウスランドの現況」とを受講すると共に、貴重なアメリカン・リゾート(LA COSTA HOTEL & SPA)初体験の機会を持つことが出来たのである。
次号では、この時の講義の概要を報告したい思う。
(バツクナンバーは「鈴木貞夫プロフィール及び目次と索引」を検索)