矢野経「11年度飲料市場前年比100、1%」発表

      執筆者:編集部

震災の発生直後は商品供給がままならなかったが、生活水としてのミネラルウォーターや茶系飲料の需要が拡大し、特にミネラルウォーターは年間を通じて消費者のニーズが高く、市場の拡大に大きく寄与した。近年、メーカー各社は基幹商品に集中した販売戦略をとっており、定番回帰の動きはより顕著になっている。特に2011年度は震災で製造を主力商品に絞り込んでいたことから、より売上に占める基幹商品の割合が増加した。一方で、2011年度の動きとしては、熱中症対策としての「塩」入り商品や既存カテゴリーの枠を超えた商品の発売があった。また、2012年度に入っての特徴として、エナジードリンクやトクホ飲料での新商品発売がみられる。市場環境は厳しく、生き残りをかけて業務提携や資本提携の動きが続く。
人口減による将来的な市場の縮小、企業間の競争激化、商品販売単価の下落、原料価格の高騰など飲料業界を取り巻く環境は日々厳しくなっているが、こういった状況を踏まえ、業界ではここ数年、生き残りをかけた業務提携や資本提携の動きが続いている。商品販売単価の下落については、特に量販店における大型容器でその傾向は顕著であり、トータルでの収益確保を目的に、ここ2~3年はメーカー各社による小型容器の提案が活発化している。