【10月号】江戸時代からの歴史ある「つまもの」栽培農家さんの「意気」
執筆者:編集部2
今年の4月から、都政新聞社「NES TOKYO」の紙面を頂き「酒井文子の江戸東京野菜DEクッキング」の連載をさせていただいています。それに伴い都政新聞の細川記者に同行して江戸東京野菜の栽培農家さんを取材しています。たまたま4月からは、足立区の「つまもの」を栽培している農家さんを訪ねています。
つまものは、刺身に添えられたり、吸い物に入れられたりがほとんどで、彩りや殺菌作用の役割が多く、特に料理の食材としては、あまり使われていません。
すでに、「浅月(アサツキ)」「紫芽(ムラメ)」「鮎たで(アユタデ)」「木の芽(キノメ)」「つる菜(ツルナ)」の取材を通して、農家さんからそれぞれ「つまもの」の歴史や栽培方法、栽培の苦労など、さまざまなことをお聞きする中で、農家さんの「意気」を感じています。周りの農家が段々と少なくなっている中、淡々と「つまもの」作りに精魂を傾け、東京の農業に「誇り」を持っておられる皆さんに、感銘や感動を覚えています。
この取材経験は、江戸東京野菜のレシピ作りのモチベーションアップにもつながっています。また、つまものとしてだけではなく、野菜として料理レシピを考えています。
足立区鹿浜の鮎たで農家の鹿浜功・徳雄さん親子を取材させていただいたおり、「たでは、たで酢以外の料理は聞いたことがないから、ぜひ他の料理を考えてみてよ」と言われました。
そこで、料理の食材としていろいろと試行錯誤しています。また、墨田区のスカイツリーのお膝元押上にあります、東京の食材にこだわっていらっしゃる「押上 よしかつ」店主佐藤さんにもご協力をいただいて、鮎たでの料理活用法を模索中です。
今回は、8月に行なった「江戸東京野菜スタディ&カフェ<ミュゼダグリ>」で召し上がっていただいた「鮎たで」の料理をご紹介いたします。
● 鮎たで入り和風ソーセージ
<材料>
・鮎たで 30~40枚
・豚ひき肉 500g
・干し椎茸(小) 3個
・塩 大さじ1
・片栗粉 大さじ1
・みりん 大さじ2
・胡椒 小さじ1/2
・粒マスタード 適宜
・即席ザワークラウト
・サラダ油
<作り方>
1. 鮎たでは、洗って水気を拭き取り、茎から葉を外し、粗みじん切りにする。
2. 干し椎茸は、水で充分に戻し、4等分くらいに切る。
3. すべての材料をフードプロセッサーに入れて、よくかき混ぜる。
4. ラップの上に、3のたねを棒状ににしてのせ、ラップで巻いて5cm間隔位のところを何ヶ所かひねる。
5. 湯気の上がった蒸し器で、20分くらい蒸す。
6. フライパンにサラダ油を熱し、5のソーセージをいため、軽く焦げ目をつける。
7. 器にザワークラウトを敷き、6のソーセージをのせ、粒マスタードを添える。
● 即席ザワークラウト
<材料>
・キャベツ 1kg
・塩 20g
・ローリエ 2枚
・粒胡椒 5粒
・赤唐辛子 1本
・キャラウェイシード 小さじ1/2
・酢 50cc
・砂糖 25g
・白ワイン 30cc
<作り方>
1. キャベツはよく荒い、5mm幅のざく切りにする。
2. ボウルに、キャベツと分量の塩を加え、よくもんでしんなりさせ、水気を絞る。
3. ローリエは小さくちぎり、粒胡椒は軽く叩いてつぶし、赤唐辛子は種を取り除い て小さくちぎる。
4. 器に3とキャラウェイシードを入れて、よく混ぜ合わせる。
5. 鍋にキャベツと混ぜ合わせて香辛料を入れて、弱火にかける。
6. キャベツから水分が出てきたら、白ワインと砂糖、酢を加えてよく混ぜ合わせる。
★第10回江戸東京野菜スタディ&カフェ<ミュゼダグリ>
・スタディ 「命をつなぐ種子」固定種 講師:野口種苗研究所 野口勲さん ・カフェ 「亀戸大根」 料理&料理解説:酒井文子
スタディ&カフェのお問い合わせ→TEL 090-2423-0831(納所)FAX 042-387-2820 Mail: museedagri@hotmail.com
★読売日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー):「江戸東京野菜を知ろう」をテーマに10月・11月に4箇所で、講座を開講します。①10/21(木)よみうりカルチャーセンター恵比寿(03-3473-5005) ②10/24(日)よみうりカルチャー荻窪(03-3392-8891) ③11/2(火)よみうりカルチャーセンター北千住(03-3870-2061) ④11/30(火)よみうりカルチャー錦糸町(03-5625-2131) *11/30(火)の錦糸町講座のみ、料理教室
☆酒井文子の江戸東京野菜レシピバックナンバーは、 こちら→https://fv1.jp/blog_sakai/backnumber.html
☆大竹道茂江戸東京野菜ネットは、 こちら→https://fv1.jp/chomei_blog/?author=5
☆江戸東京野菜通信「大竹道茂の伝統野菜に関する情報」は、 こちら→ http://edoyasai.sblo.jp/
☆ NPO法人日本食育ランドスケープ協会「心と体にやさしい野菜アレンジ」
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