健康ニュース 8月1日号 宿便とは?・・・ 

     

隣家のインテリ夫人「今日も娘のことで相談に乗っていただきたいのですが、ご飯を食べるようになって約半月経過とともに、やっとお通じも一日に一回はあるようになったというのです。ところが本人の言うには、宿便が取れていない気がするので気持ちが悪い、精神的にもイライラするというのです。宿便を一日も早く解消する方法はないのでしょうか」

隠居中の大御所 暈穀菜「そうか、炭水化物を摂るようになったのだね。それは良かった。ところで宿便と言ったよね。また安っぽい週刊誌を読んで得た知識を言っているのではないかな。宿便って、何日もひどい場合は何カ月にもわたって腸にへばりついている便とか言ってないかな?西洋医学にはもともと宿便なんて言う言葉はないよ。宿便とは、東洋医学の単語で、ちょっと頑固な秘という意味だ。娘さんがどこかで覚えた、何カ月も腸壁にへばりついているという便なんて言うことは、絶対にありえないから、妄想で苦しむのは止めなさい、と言っておくが良いね」

隣家のインテリ夫人「えっ?宿便っていうのはないのですか。私も以前健康教室で聞いたことがありますが・・・。腸内洗浄で宿便を洗い流し、腸をきれいにすることが健康と美容に良い、とお聞きしましたよ」

隠居中の大御所 暈穀菜「そういうことを、信ずる者は救われる、というのだが効果はあったかな?見たところ全くなかったのではないのかな。ワシの想像だが、古い水道管に付着したさび同様、老廃物の混じったどろどろの便が腸壁にこびりついている。これを放ったらかしにしていると健康や美容に悪い影響を及ぼす。だから宿便を取りなさい、と言われ高額なサプリメントなどを買わされたのではないかな?どうだい、図星のようだな。人の腸壁からは常に腸壁を保護する粘液が出ている。また腸壁は数日で新しい細胞に生まれ変わり、古い細胞はどんどん便と一緒に排泄されてしまうのだね。だからどんなに頑固な便秘症の人でも、腸壁に便がへばり続けるということはあり得ない。ましてや何カ月もへばり続けて、それが原因でがんなどになるということはあり得ないよ」

隣家のインテリ夫人「そうなんですか・・・。早速娘にも言っておきますね。便秘ががんと直結しないとお聞きして安心しましたわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「早とちりしないでおくれよ。全てのがんと無関係とは言っていないからね。大腸がんと便秘には関連性があまり無いと言っているだけだからね。君は全て自分の都合の良いほうに理解しがちだから気を付けないといけないな」

隣家のインテリ夫人「あら?そんなことありませんよ。でも本当に良いアドバイスをありがとうございました」

隠居中の大御所 暈穀菜「若い女性に多いのは便秘が原因の痔疾患だね。痔にならないためにも早く通じが普通になることを祈っているよ。地主の嫁になるのは良いが痔主にはなるな、と言っておいてね。そうだ!ボンジリがあるから一杯やろう。冷えたビールで乾杯だ!」