健康ニュース 7月1日号 子どもの肥満

     

隣家のインテリ夫人「親戚の5歳の男の子が幼児肥満の疑いがあると健康診断で言われたらしいのです。母親が神経質なほど悩んでいます。何か良いアドバイスをお願いします」

隠居中の大御所 暈穀菜「詳しく分からないとアドバイスなんてできないが、生活に注意すれば大丈夫だと思うがね。日本小児科学会では、5歳以下の幼児を対象とした幼児肥満ガイドを公開している。そのガイドによると、一般的には6歳前後からBMIは上昇し始めるとのことだ。中には3歳児ごろからBMIの上昇がみられることもあるそうで、その場合は肥満リスクが高く生活習慣の見直しが必要と述べている。親戚の子供は3歳を過ぎているから、肥満による生活習慣病のリスクは少ないと考えてよいのではないかな。もちろん断定はできないからね」

隣家のインテリ夫人「幼児にも生活習慣病の心配をしておく必要があるのですね・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「そうだね。ガイドでは3歳児からチェックの必要があると断定しているよ。さらに現代的だなぁと思うことが記載されている。BMI値が急に上昇した時は、ゲームやスマホなどで遊んでいる時間が長すぎる可能性があるから、親が注意しなければならないといっている。君の親戚の子供の親御さんは子供と一緒にゲームなどやっているのではないかな?確認しておいた方が良いと思うよ。以前から言われているが、幼児時期の肥満は学童時期の肥満にもつながり、最終的には成人になっても肥満状態が続くという結果になるケースが多いということだ」

隣家のインテリ夫人「確かお家を訪ねた時、子供とゲーム遊びをよくするのだって言っていましたわ。ゲーム遊びは肥満と結びつくなんて考えてもいないですよね」

隠居中の大御所 暈穀菜「ガイドブックではパソコンゲームなどで遊ぶのは1日に1時間以内にすべき、とあるから伝えておきなさい。そのほか目立つことは、*朝ごはんは必ず摂らせること。それによって間食で甘いものを与える機会を少なくすること。*牛乳は1日に200㎖以内にすること。*清涼飲料はできる限り飲ませないこと。*毎日1時間以上は運動をして体を動かすことなどが書いてある。ネットで検索して調べておいた方が子供の健康に役立つと思うよ。ところで大人の肥満にも最近新しい考えが出始めているよ。国立がん研究センターが日本人の肥満について詳しいデータを発表している。それによると男性のBMIでは、25~27で死亡リスクでは最低となっているのだね。女性に関しても明らかに死亡率が上昇するBMIは30~40という数値になっている。インスリン分泌能力の高くない日本人には、一般的な感覚からすると超肥満という状態だね。ここで考えておきたいことは、健康的、理想的なBMIと言われる22と、死亡リスクを下げるBMIは異なるということだね。高齢者という世代になると少し小太りの方が長生きするということさ。だから旨いものを食べ、美味い冷酒を楽しもう!肴は海鼠腸(このわた)がいいな!」