キリン「ベトナム・コーヒー農園への支援拡大」

      執筆者:motoe

キリンホールディングス(社長:磯崎功典)は、昨年4月より生産地の農家とともに持続可能性を高め、将来にわたり良質な原材料を安定的に使用していくための取り組みとして、ベトナムのコーヒー農園のレインフォレスト・アライアンス認証取得を支援する取り組みを本格的に開始した。この度、昨年までの350軒に加え、新たに支援先に350軒の小農園を追加し、これまでの2倍となる計700軒の支援へと拡大。同社は2013年よりスリランカの紅茶農園にて同様の取り組みを継続しており、その成果として、2020年末時点で、キリングループの支援で93紅茶大農園が認証を取得しています。これは、スリランカ全土のレインフォレスト・アライアンス認証を取得している紅茶大農園の約3割に相当する。2018年からは、小農園の認証取得支援と紅茶農園の中の 水源地保全活動も開始。2025年末までに10,000を超える小農園にレインフォレスト・アライアンス認証取得支援を行う予定という。このようなスリランカでの取り組みで得た知見を生かし、昨年より支援先をベトナムのコーヒー農園へ拡大させた同社。ベトナムは、ブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー豆生産国であり、2019年キリングループが輸入したコーヒー豆の約3割がベトナム産となる。一方で、2018年から実施しているTCFD提言に基づくシナリオ分析で、気候変動が、当社の事業において重要な原材料である農産物に対して与えるリスクや機会を分析したところ、コーヒー豆は紅茶葉よりも気候変動の影響による収量減の可能性が高いことが判明。また、ベトナムのコーヒー農園の大半は小農園であり、適切な教育機会がない場合が多いと言われている。認証取得支援に向けたトレーニングにより、水使用量の削減や河川の汚染防止、生物多様性への配慮、日陰栽培の導入や土壌浸食の防止、適切な農薬や肥料の使用など、農家の人々の農業に関する多様な知識の習得や、気候変動への理解や適応力も高めていきたいとしている。また、生産コストを下げながらコーヒーの品質向上を図ることができるように支援していくことを目指しています。昨年は、世界的に新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた中、工夫をこらして支援を進め、この度新たに350軒の小農園の支援拡大に至ったという。