健康ニュース 12月1日号 のら猫?どら猫?
隣家のインテリ夫人「幼稚園で先生をやっている友人か。テレビ番組のサザエさんを見た子供たちが、お魚くわえたどら猫か、お魚くわえたのら猫かで論争しあっているのだそうですよ。子供たちの発想が面白いですね。どっちだって大して変わらないでしょうに・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「それは愉快なことだな。子供たちが言い争っていることを想像しただけで楽しくなるね。どっちも大して変わらないだろうという考えを持ってしまったら、君らと大して変わらない大人になってしまう恐れがあるからね・・・。どら猫とのら猫で共通しているのは猫だけだよ。どらとのらの違いに気が付いている子供たちに馬鹿にされるかもしれないよ」
隣家のインテリ夫人「ちょっと待ってくださいな。どら猫とのら猫、どう違うというのですか?大して違わないでしょうに。先生こそ変な理屈を子供らに教えないでくださいよ。子供はすぐ信じてしまいますから」
隠居中の大御所 暈穀菜「諸説あるが、のら猫に共通していることは、帰る家がない猫のことを指している。飼い主がいない猫だね。野良猫という漢字で書く場合もあるよ。野原などにいる猫という意味だな。ではどら猫というのはどういう猫かというと、2通りの解釈がある。どちらもあまり良い意味ではないけれどもね。1つ目は、のら猫がよその家から物の盗みをするとどら猫になる。極めて少数派の論だが2つ目の解釈は、帰る家がある猫を意味するという説。どら息子という言葉を聞いたことがあるだろう?好き勝手やり放題でどうしようもない息子をどら息子と言っているよね。でもいざという時にはそのどら息子も帰る家があるから、物を盗んでも帰る家のある猫をどら猫という説だ」ね
隣家のインテリ夫人「へぇー、初めて知りました。サザエさんを見るときに注意して見てみますね」
隠居中の大御所 暈穀菜「ところでどら息子やどら猫のどらとはどういう意味か知っているかな?」
隣家のインテリ夫「考えたこともありませんわ。どら焼きのどらの意味は聞いたことがありますが・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「どう聞いたのかな?」
隣家のインテリ夫人「形が打楽器の銅鑼(どら)に似ているとか・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「どら焼きの語源はそうらしいね。どら息子のどらは、鐘の銅鑼(どら)に由来するのだな。鐘を突く→金を尽く→金を使い果すという言葉遊びが語源という説が有力だね」
隣家のインテリ夫人「そうですか・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜
「生活に密着した言葉は多いよね。時代劇などで見たこともあるだろうが、火事を知らせるときには鐘をジャンジャンと叩くよね。これから金遣いの荒いことを、金をジャンジャン使う、というようになったそうだよ。子供の会話の野良猫とどら猫からでも沢山な話題が出たね。テレビなどのなかった時代では会話の端くれからでも話が広がったのだろうね。ではそろそろ一杯やりながら今年を振り返ろうよ。肴は猫の好きな魚が良いな」