健康ニュース　９月１日号　都合良い解釈は自己責任

隠居中の大御所　暈穀菜「ちょうど良いところに来た。もし君が男性として、こんな手紙をもらったらどう思うかな？

＊幸せになりたいの

　嫌よ　あなたと別々に

　なんて・・・そんなの私

　じゃないから。　一生

　私の愛する人は　貴方

　だから、　お願い

（５４文字の文学賞より）」

隣家のインテリ夫人「もし私が男性ならば、相手の女性を幸せにしなくてはならないという責任感を感じますわ」

隠居中の大御所　暈穀菜「そうだろうね。単純極まりないからそう言うと思っていたけれどもな。世の中には君のように何でも疑問を感じなく、信じてしまう人が多いね。こういうのを自分中心主義というのだね。悪徳商法などがはびこるのも仕方ないのかな・・・」

隣家のインテリ夫人「これを読んだ誰もがそう思うのではないですか？先生のようにへそ曲がりの読み方をする方がおかしいですよ」

隠居中の大御所　暈穀菜「まだ修業が足りないな。それでは（だから、お願い）という下側から読み始めて見なさい。自分の甘さに気が付くはずだから」

（と言われて、下から読み始めてみた結果）

隣家のインテリ夫人「うわ～、まったく正反対の意味になってしまっているわ・・・。何ですか、この文章は・・・。手品師に出会ったみたいな感じですわ。でも面白いですね！」

隠居中の大御所　暈穀菜「どんな情報でも、自分勝手な解釈をしていてはダメだ、ということを教訓として覚えておきなさいね。好むと好まずに係わらず、毎日の生活の中には、数えきれないほどの情報が入ってくる。その一つ一つを自分の都合よいように解釈していては、大変な結果になってしまうことがあるということだ。では次の問題を出そう。

（Ａ医学博士が薦める膝の悩みを解消するＢ商品。５０００名の愛用者にアンケート調査結果、８割が継続してＢ商品を飲みたいと言っています）

　この広告を見て、君が膝に悩みを持っているとしたら、注文するかな？」

隣家のインテリ夫人「お医者さんが薦めるのですからね・・・。値段にもよりますが８割の人が継続したいと言っていますし。多分注文しますね」

隠居中の大御所　暈穀菜「さっきも言ったように少しは疑問をもって読みなさい。全く単細胞だから。君のようなものが多いから悪徳商法がはびこってしまうのだな。最初の問題点だが、どこに医者と書いてある？医学博士が全て医者だと誰が決めたのかな？ディプロマミル博士といって、原稿用紙数十枚程度の論文を出し、２０～３０万円を振り込むことによって博士という称号をもらえる仕組みがあるのだよ。ワシでも医学博士になろうと思えばなれるのだね。あるサプリメントメーカーの新製品発表会で同席した著名な教授と名刺交換したことがある。医学博士という肩書があり、どこの医学部出身ですか？と質問したら医学部は出てなく、論文提出で得た称号です、と言われた。これがディプロマミル博士かと実感したよ。それと８割の人が継続したいと言っているが、それは何名かな？４０００名と勝手に思い込んでいるね。アンケートの回収が、どれ位あったかは一切触れていないだろう？もしかしたら５名の回収だったかもしれない。そのうち４名だけが継続したいと言っているのかもしれないね。それでも買ってみたいと思うかな？それは自己責任で、効果が無かったからといって、業者を悪く言うことはできないよ。それにしても話疲れた。美味しい冷酒で秋を楽しもうかね。肴は秋アジでいこう」