伊藤園「茶殻のアップサイクルで日本清涼飲料研究会賞」

      執筆者:motoe

伊藤園(社長:本庄大介、本社:東京都渋谷区)の茶殻を工業製品などにアップサイクルする研究成果が、2024年日本清涼飲料研究会(事務局:全国清涼飲料連合会)において「日本清涼飲料研究会賞」を受賞。10月8日に、日本教育会館 一ツ橋ホール(東京都千代田区)にて表彰式が行われた。同社では、国内の飲料製造工場を通じて年間で数万トンの茶殻を排出(2023年度の排出量は約56,600トン)。その多くは飼料や堆肥としてリサイクルしているが、昨今の国内農業の課題である「農地面積の減少」を背景に、工場近隣の農地減少などが要因となり、将来的に茶殻が飼料や堆肥として有効利用することが難しくなる地域が増える可能性も考えられることから、同社では、数十年後の未来を見据え、近隣農地が減少している国内の3つの工場をモデル工場として、3工場で排出する茶殻のうち約10%を、独自技術である「茶殻リサイクルシステム」を用いてアップサイクル製品に有効活用。茶殻にはカテキンなどの有用成分が多く含まれており、抗菌・消臭効果などが期待されるため、従来のリサイクル方法ではカスケード利用が主流でしだったところを、茶殻の機能性を活かした製品にアップサイクルする技術開発に取組み、畳や建材、樹脂製品、紙製品、「お~いお茶」の一部の段ボールなど、約100種類の茶殻製品を開発している。茶殻リサイクルシステムHP https://www.itoen.co.jp/ochagara_recycle/