☆ ほし ひかる ☆ 昭和42年 中央大学卒後、製薬会社に入社、営業、営業企画、広報業務、ならびに関連会社の代表取締役などを務める。平成15年 「江戸ソバリエ認定委員会」を仲間と共に立ち上げる。平成17年 『至福の蕎麦屋』 (ブックマン社) を江戸ソバリエの仲間と共に発刊する。平成17年 九品院(練馬区)において「蕎麦喰地蔵講」 を仲間と共に立ち上げる。平成19年 「第40回サンフランシスコさくら祭り」にて江戸ソバリエの仲間と共に蕎麦打ちを披露して感謝状を受ける。平成20年1月 韓国放送公社KBSテレビの李プロデューサーへ、フード・ドキュメンタリー「ヌードル・ロード」について取材し (http://www.gtf.tv)、反響をよぶ。平成20年5月 神田明神(千代田区)にて「江戸流蕎麦打ち」を御奉納し、話題となる。現 在 : 短編小説「蕎麦夜噺」(日本そば新聞)、短編小説「桜咲くころ さくら切り」(「BAAB」誌)、エッセイ「蕎麦談義」(http://www.fv1.jp)などを連載中。街案内「江戸東京蕎麦探訪」(http://www.gtf.tv)、インタビュー「この人に聞く」(http://www.fv1.jp)などに出演中。 |
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ほしひかる氏 | ||
【8月号】 |
私は色んな方から蕎麦に関することを教わっているが、その中のお一人に江戸ソバリエ認定講座の講師 & 中國といえば先ず中華料理が頭に浮かぶ。その代表に四川料理があり、坦々麺、麻婆豆腐などはお馴染みであろう。 というのは、私たち江戸ソバリエ認定委員会では、稲澤さんに2003年度の江戸ソバリエ認定講座の講師をお願いした。そのときの講師料を稲澤さんは塩源県の若者の大学入学のために使ってほしいと申し出られたのである。人選は現地の副知事、校長に依頼したところ、彼らは二人の若者を選んでくれたという。それが楊徳成(イ族)さんと毛格佐(モソ族)さんだった。お蔭で、楊さんは成都市の四川師範大学へ、毛さんは綿陽市の西南科技大学へ進むことができた。ことに毛さんは、部族の中で大学まで進んだのは初めてであったという。 話は少し脇道に逸れるが、中國は漢族が圧倒的に多いが、他の多数の民族からなる多民族國家である。楊さんのイ族というのはチベット系の民族で約660万人いるという。武勇に優れ、独自の文字もあり、四川、雲南、貴州辺りに住んでいる。生業は、山間部で、蕎麦、大麦、燕麦、トウモロコシ、じゃが芋を栽培し、山羊、豚などの家畜を飼育している。中國には他の少数の民族もかなりいる。毛さんのモソ族がそうである。モソ族はわずか1万人、民俗学の世界では今でも「通い婚」が残っている国、それゆえに「女の国」として知られている。 この話を伺ったとき私は、中世的経済から近世的資本主義へ移行するころ、セル・ジョヴァンニやシェイクスピアらが残した文学、『イル・ペコローネ』や『ヴェニスの商人』のことを思い出した。 そういえば、蕎麦の花言葉は「あなたを救う」であった。 (エッセイスト・江戸ソバリエ認定委員) 第15話は「風立ちぬ」を予定しています。 |
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