第962話 日本の第二ステージ
大阪で、ある団体の蕎麦打ちの試験が行われました。
挑戦者は、蕎麦打ちのみならず、意見発表もしなければなりません。
私は、後者の意見発表の審査員として席に着いていました。
何人かの発表が続いて、A男さんが登板しました。
彼は、退潮傾向にある蕎麦界を元気にするためには、蕎麦好きだけではなく家庭で蕎麦を食べてもらうようにした方がよいと説きました。
その後、また何人かの発表が続いて、B子さんが登場しました。
驚いたことに、彼女もまた同じ視点で、退潮傾向にある蕎麦界を元気にするためには、蕎麦好きだけではなく家庭で蕎麦を食べてもらうようにした方がよいと言い、さらに続けました。家庭といえば女性です。ですから、私も蕎麦打ちをやっています、と。
実は、A男さんも、B子さんも、江戸ソバリエの仲間です。
自分のやりたいこと、あるいはできることが、現代の解決すべき社会的課題と合致していることは、正しいことです。それは個人的見解を越えた事業家精神にもつながります。なぜならそういう戦略視点が、社会を新しい舞台へと導くことになるからです。
したがって、拝聴する審査員の方も、お二人の価値のある意見をしっかり受け止めなければ審査員の資格はないと思いながら拝聴しました。
話はすこし飛びますが、過日、月の井酒造の会長さんと目白の蕎麦屋「おさめ」に行ってまいりました。理由は「おさめ」さんに「月の井」が置いてあったことをお伝えしたところ、じゃあ一緒に行きましょうということになったのです。
SAKEは今、世界に人気です・・・。「月の井」もアメリカで販売しているそうです。
お蔭で日本のSAKEは、国内での売上低下分を海外の売上で補っている状況です。しかし、よくよく見ますと、SAKEの購入先は該当地の和食レストランだけの段階です。当該国料理のレストランが購入してくれるようなSAKEにならないと壁にぶつかるのは目に見えています。だから業界は、第二ステージを模索しているようです。
SUSHIもそうです。国内だけでは頭打ちです。なので魚食文化を理解してくれる東南アジアを新しい舞台として模索しているやに聞いています。
ひるがえって、蕎麦界はどういう舞台が考えられるのでしょうか。
お二方の意見のように「家庭」ももちろんその一つです。
ですが、最近の「ソバリエの店」さんたちの行動力に、何かが期待できるような、いい予感がするのですが。それを応援するのもソバリエかもしれません。
江戸ソバリエ協会
ほし☆ひかる