L-55乳酸菌のインフルエンザ予防効果を確認

      執筆者:編集部

オハヨー乳業株式会社は、学校法人順正学園 九州保健福祉大学薬学部生化学第2講座との共同研究により、ヒト腸管由来乳酸菌の一種であるL-55乳酸菌 (ラクトバチルス・アシドフィルスL-55株) に、インフルエンザウイルス感染に対する予防効果があることを、動物実験で確認した。この実験の内容は、2011年3月28日から開催される日本薬学会 第131年会で発表する予定。近年、新型インフルエンザや口蹄疫など、人や家畜の感染症に関するニュースが話題となり、ウイルス感染に対する予防や治療法に関心が高まっている。同社はこれまで、L-55乳酸菌が免疫細胞に影響を与えることによって、抗アレルギー作用を発揮することを明らかにし、学術誌や学会にて発表してきた。今回は、インフルエンザウイルス感染に対するL-55乳酸菌の予防効果について動物実験で調べたところ、予防効果があることを明らかにした。L-55乳酸菌は、インフルエンザウイルス感染初期に、肺中ウイルス数を減少させ、さらに肺中の腫瘍壊死因子-α量を減少させて、過剰な免疫反応を抑えることによって症状を軽減することが期待できる。このため、インフルエンザに対する感染予防の観点から、L-55乳酸菌はワクチンや抗インフルエンザ薬の役割を補う一助となる可能性があり、日常的にL-55乳酸菌を摂取することによって、インフルエンザウイルス感染リスクを低減できると考えられる。L-55乳酸菌が、どの様な作用機序によって抗ウイルス作用を発揮するのかについても、現在研究を進め、L-55乳酸菌をヨーグルト製品に幅広く使用していく。