矢野経「コメビジネスと米飯市場調査結果」横ばい

      執筆者:編集部

矢野経済研究所はコメビジネスと米飯市場の調査を実施した。調査期間は2013年10月~2014年1月、調査対象はコメビジネス関連企業、米飯メーカー、関連業界団体など。本調査における米飯市場とは、日本国内の日配米飯(弁当、おにぎり、持ち帰り弁当、持ち帰り寿司、持ち帰り丼、給食弁当他)と加工米飯(冷凍米飯、レトルト米飯、無菌包装米飯、セット米飯他)を対象とする。コメビジネスとは、日本企業が主体となって展開する、国産米の輸出や短粒種であるジャポニカ米などの海外現地生産関連ビジネスおよび機能米(発芽玄米やアルファー化米等)の開発・加工関連ビジネスなどを対象とする。2011年度の米飯市場規模は前年度比102,1%の2兆2389億円(小売金額ベース)、2012年度の同市場規模は前年度比100、0%の2兆2392億円と推計した。東日本大震災を契機として高齢者などのコンビニエンスストア利用が増えたことから、コンビニを主要チャネルとする弁当やおにぎりの消費が伸びた。また、無菌包装米飯や冷凍米飯などの加工米飯についても震災以後は需要が増加傾向にあり、2013年度の同市場規模を前年度比100,3%の2兆2465億円と見込む。 日本国内のコメ消費量が減少するなかで、海外に活路を見出し、国産米の輸出や短粒種であるジャポニカ米などの海外現地生産に取り組むコメビジネスが活発化している。また、安価な外国産のコメと不毛な価格競争を繰り広げるのではなく、発芽玄米やアルファー化米などの高機能米を作ることで、国内の優良顧客を囲い込む新たなコメビジネスも始まっている。