【12月号】 大根の季節がやってきた。

     

鍋物やおでんが美味しい季節になったが、江戸東京の伝統野菜の中でも代表的な野菜が、練馬ダイコンであったり、大蔵ダイコンで煮込むと味が染みて、そのまろやかな味はたまらない。

 

カブとダイコンの違いを、小学生に聞いたことがある。カブは丸くてダイコンは長いと答えていた子が、亀戸ダイコンと品川カブの写真を見せて、ダイコンとカブを比較すると、頭の中が混乱したようだ。

カブの葉は切れ込みが無くて、大根の葉には切れ込みがあると言うと、「ママが買ってくる大根には葉が付いてないからわからない!」と云われてしまった話を紹介している。

改まってダイコンの葉を、宮寺農園で撮らせてもらった。右から青首ダイコン、亀戸ダイコン、大蔵ダイコン、練馬ダイコン、おふくろダイコンの5種類だ。

特に紹介しておくのは、亀戸ダイコンだ。

江戸の頃、亀戸で栽培されていた頃は、お多福ダイコンとか、おかめダイコンと呼ばれていた。肌が透き通るように白いからその名があるが、もう一つ、葉の先端がお多福やおかめの顔のシルエットに似ているからだ。

練馬ダイコンの採種組合の話を練馬の渡戸章さんに伺ったことがある。まず、葉を見て昔からの特徴ある葉のダイコンだけを抜いていく。次に全体のプロポーションを見て残すものを決める。 そして最後に、1/3の所をカットし細胞の老化現象があるかないか、確認する。

老朽化が見られれば、そこにスが入る原因となるからだ。

これを、表したものが東京都農林総合研究センターに残る細密画の中にある。

最近では、採種をしなくなったから、このような方法が忘れられてしまう。

12月5日には、練馬ダイコン引っこ抜き競技大会が、産地練馬で開催される。

夏場の猛暑でその後の生育が心配されたが、順調な生育を見せているから、歓声がこだまするような楽しい大会になることだろう。

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