【8月号】 甘いものが少なかった時代、 水菓子と云われた「マクワ瓜」が稔った。

      執筆者:auc_shonin

この時期の夏野菜が色々全国各地の「JA農産物直売所」や「道の駅」に並ぶ、中には結構珍しいものもある。 

3年前に、東京足立区興野の農家・内田さんのお宅でマクワ瓜が見つかった。

本田ウリ(ギンマクワ)

内田さんが毎年自分でマクワ瓜のタネをまき、収穫したものは自宅でサラダにして食べていたという。だから、このマクワ瓜が東京に残っている等とは、わからなかった。

内田さんも言っている。「そんなに珍しいものになっていたとは知らなかった。」と、

内田さんは、農業試験場でも、沢山マクワ瓜をつくっていると思い電話をかけたとか。

農業試験場とは、江戸川にある、現・東京都農林総合研究センターのこと。

毎年、自分で採種したタネでつくった瓜のタネを翌年再び蒔くことを何年も繰り返し栽培しているから、このままではタネはどんどん純粋化して不稔になってしまうのではと、心配になって電話をしたという。

    

センターの技術官が、色々と話を聞いたが問題の無いタネ採りだったと云うことで、一件落着だったが、これで足立に伝統野菜のマクワ瓜が残っていたことがわかった。

この瓜、江戸時代、葛飾の本田(ホンデン)地区で栽培されていた大ぶりのマクワ瓜「本田ウリ」と呼ばれるもので、昨年、新聞で紹介されたことで、内田さんのお宅には、「昔食べたマクワ瓜を食べたい」と云う、市民からメールや電話が殺到したという。

また、農家の中からも、うちにも有るよと云う情報が小金井から入った。江戸東京野菜を栽培している井上誠一さんも自家用の瓜を食べていたようで、昨年から小金井市にあるJA東京むさしの直売所に出している。

こぐれ村で購入した金マクワ

先日、JA東京あおばの大泉にある農産物直売所「こぐれ村」に行ったら、地元の農家が栽培した「金マクワ」が出ていた。

他にも今年JA東京あおばが復活している「東京大シロ瓜」の浅漬けがあったので、金マクワとシロ瓜の浅漬けを買ってきた。

また、私が行った時は売れてしまったのだろう「雑司ヶ谷ナス」も人気で、豊島区大塚の蕎麦屋さんがメニュー化したことも話題になっている。

そうそう「寺島ナス」は小金井市民に味が分かってきたようで、リピーターが増えたことで、駅前のイトーヨーカ堂から増量の要請があり、北口の東急ストアーからも担当者が飛んできたという。東小金井駅前にできた「黄金の里」でも売れている。

現在、井上誠一さんを含め5人の生産者が寺島ナスを生産している。

今年復活した夏野菜を含めて、これからも伝統野菜の栽培に意義を感じてくれる生産者達をふやし、市民の期待に応えていくつもりだ。

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