健康ニュース 6月15日号 「コンビニ食だけが悪いの?」
2016/07/01
「人間学を学ぶ」というキャッチフレーズの月刊誌を愛読しています。C出版社の発行で月間10万部以上の発行とのことですが、今年5月号の記載内容には深い失望感でいっぱいとなりました。記事の一部が、三流週刊誌並みと思ったのです。
北海道で、中学浪人予備校を設立後、現在では高校も開校している学校法人理事長I氏の寄稿か、インタビューを記載したものかはわかりませんが、全3ページにおよぶ記事です。
見出しは「便利で手軽な食品が、子供をダメにする」(疑問もありますが)「日々の食事が心と体と頭をつくる」です。興味を持ち、目が自然と文字を追っていきます。
問題は次の2点です。
①行動・性格・学力で問題のある子供は、調べてみると食生活に問題がある。(否定はしませんが・・・)ある子供は、自宅がコンビニを営んでおり、コンビニの食べ物を好きな時に食べている。また別の子供は食事のつど500円玉を渡されコンビニで好きなものを買って食べているという。寡聞にして全く知りませんでしたが、これを500円玉シンドロームというそうです。( 部をご存知でしたか?)
疑問点は、コンビニだけがなぜ挙げられたのかという点です。牛丼店ばかりの食事ではどうなのか、宅配のピザパイばかりとか、スパゲティ専門店のものばかりの食生活だとどうなのか、家庭でカレーライスばかり食べ続けるとどうなのかを検証したうえでI理事長は述べられ、それを是としてC社は記事にしたのかまでは分かりません。
念を押しますが「日々の食事が心と体と健康をつくる」ということには全く異論はありません。それだけにもっと裏付けのある記事であって欲しいと考えます。
②コンビニに弁当などを卸しているある工場では、「21時間無菌を保つために、本当は入れたくない添加物や薬品を大量に使っている」とあります。I氏はコンビニに怨念でもあるのでしょうか。I氏は食品製造に関する数多の法令を全くご存じないのでしょう。記事内容から察するにコンビニの弁当は無菌状態と考えられておられるのでしょう。滅菌と殺菌の差異もご理解されていないのでしょう。家庭料理も、ホテルの高級レストラン料理でも、病院の入院患者の食事にも、もちろんコンビニやスーパーの弁当にも菌は存在します。菌数が多いか少ないかが問題であることを理解されていないようです。
加えて業者が「本当は使いたくない添加物を使用するとか薬品を大量に使っている」と書いてあることです。何年か前に大ベストセラーとなった似非科学者A氏の「食品の●●」でも読まれたのでしょう。日本国内の食品業者のモラルは世界トップクラスといえます。添加物は必ず使用する理由があるから使うのです。食品には薬品を大量に使うことなどありえません。何を根拠に言っているのでしょうか。
教育のトップにある方の発言は、教え子たちに多大な影響を与えます。I氏はもとより掲載したC社に対しても異議を、声を大にして言わせてもらいます。
この種の報道がある度に思うのですが、なぜコンビニ弁当の関係者は反論しないのでしょうか。遵法のもとで自信をもって作り上げた弁当は、関係者にとってわが子同然のはずです。わが子が言われのない中傷で傷ついているのを黙っている親がいるのでしょうか。世は好むと好まざるにかかわらず訴訟時代です。公開の場で争いましょう、と何故言わないのでしょうか!
似非科学者らは、「食の安全と安心の違い」を本当に理解されていないと考えられますか?