外食烈伝「その根底に流れるもの」(四歩)

      2016/08/22   執筆者:編集部

〈展開期〉平成2年~平成12年 (異業種・若手起業家の外食参入)

居酒屋業界の進展と共に一方では、異業種からの新規参入や若手起業家の台頭も見逃せない時代となっていった。第一次居酒屋ブームが「養老乃瀧」、「函館赤ちょうちん」の時代、第二次が「つぼ八」、「村さ来」の時代、そして第三次が「ワタミ」、「モンテローザ」など。さらに第四次が「ダイヤモンドダイニング」、「リンクルー」、「鳥貴族」、「「マルシェ」などが新しい切り口の居酒屋を起こし、社会背景とも相まって伸長、一つの勢力地図を築いていった。また一方では、昔からの不動産・レジャー産業からの参入もあり、外食業界にも大きな動きとなって現れてきた。企業では、「ワンダーテーブル」、「加藤プレジャーグループ」、「かぶらやグループ」、「かもんフードサービス」、「べジダイニンググループ」、「Jグループ」などが挙げられる。これらの居酒屋グループの背景には、従来の居酒屋でも徹底していた食材の吟味があり、「安心・安全・健康」をメインテーマに、料理メニューを研究、店での提供となっていった。食材としては、より特化した「まぐろ」、「はまち」、「さば」、「とり肉」、「豚肉」、「牛肉」、「豆腐」、「干物」、「野菜」他などで、次第に「個別専門店化」の傾向になってきたのも事実。同様の考えで、店の数も以前に比べてスケールメリットは追求せず、30店~50店、せいぜい100店舗の展開でピリオドを打つ企業が多く、店名を変えて次のステップをかける企業も出ている。ダイヤモンドダイニングは「100店舗100業態」の推進を図り、成功を収めたのが好例と言える。

こうした背景から居酒屋業界を筆頭に外食産業は、この時期「第二の戦国時代」に突入しているといっても過言ではなく、引き続き新人類やファミリー層、郊外型の専門料理店への移行など、新たな展開方向への模索が始まってきているようだ。