矢野経済研究所「飲料市場に関する調査」を実施
執筆者:shirai
矢野経済研究所は2016年9月~10月にかけ、飲料メーカー、販売企業などを対象に行った飲料市場調査の結果を発表した。飲料市場とは炭酸飲料やコーヒー飲料、ミネラルウォーター、果汁入り飲料、各種茶系(日本茶、紅茶、ウーロン茶等)飲料、スポーツ・機能性飲料、栄養飲料(エナジードリンク含む)、飲用牛乳類、乳酸菌飲料、豆乳などが対象。調査方法は文献調査ならびに、専門研究員による直接面談、電話によるヒアリングの併用で行われた。調査の結果、2015年度の国内の飲料市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比100.7%の4兆9,700億円と微増したという結果が得られ、2016年度は前年度比101.4%の5兆400億円の拡大が予測された。また、2015年度は全体的には目立ったヒット商品は出ておらず、飲料メーカー各社は例年以上に実績のある既存ブランドの維持や、大規模リニューアルによるロングセラーブランドの復活に注力。販売数量拡大による収益性確保が難しいなか、メーカー各社は実績のある既存ブランドに経営資源を集中する成長戦略をとっていることが分かった。さらに、にごり系といわれる「うまみ」や「こく」を訴求した緑茶飲料をはじめとした無糖茶飲料や特定保健用食品(トクホ)飲料が好調を維持。ミネラルウォーターではフレーバーウォーターが堅調。コーヒー飲料は品質にこだわった商品が消費者の一定の支持を得ており、缶コーヒーを中心に新規領域拡大への動きもみられた。より詳しい内容は同研究所プレスリリース(http://www.yano.co.jp/press/press.php/001621)を参照。