健康ニュース 4月1日号 信じる者は救われる?

     

隠居中の大御所 暈穀菜「ちょうどいいところに来た。聞かせたいことがあるからお茶でも飲みながら、良いだろう?」

隣家のインテリ夫人「少しなら良いですわ。お話って何でしょうか」

隠居中の大御所 暈穀菜「確か美容のためにコラーゲンを飲んでいると言っていたよね」

隣家のインテリ夫人「えぇ、もうすぐ一年になりますわ。効果はあるような気もしますが、それが何か・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「今朝の新聞の名刺サイズほどのコラムに面白い記事を見つけたのだ。コラーゲンの神髄を表していると思い君に紹介しようと思うのだがね。興味あるかい?」

隣家のインテリ夫人「是非お聴きしたいですわ。どうせ私にとってはマイナスの話でしょうが・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「そうだね、覚悟はできているね。永田和宏という歌人が〝コラーゲンを飲んでもなんにもなりません そこだけ受けて終はる講演〟という和歌を詠んでいる。解説には〝毎日飲んでいるコラーゲンが何の効果もないと言われれば、がっかりする人もいるだろう〟と解説している」

隣家のインテリ夫人「歌人らしい言い方ですね。色々な見方があっても良いと思いますが・・・。だからどうなのですか」

隠居中の大御所 暈穀菜「そうだよね。でもこの永田和宏という歌人は、京都大学教授で元日本細胞生物学会会長という要職にいた細胞生物学者だよ」

隣家のインテリ夫人「・・・。もう少し詳しく話してください」

隠居中の大御所 暈穀菜「先生はある著書の中で〝コラーゲンを摂取することで、それがそのままコラーゲンの補充でもあるかのような宣伝をよく見かけるが、食品として摂取したところで、それは消化器官を通じていったんアミノ酸に分解された後に、栄養素として再利用されるので、コラーゲンの形のままで吸収されることはあり得ない。飲むコラーゲン、食べるコラーゲンの宣伝がまかり通っていることを苦々しく思っている。食べたコラーゲンが胃、腸で消化分解され、アミノ酸として供給し、様々なタンパク質を作るのに貢献する。それだけである。コラーゲンとして蓄積し肌の張りを生み出すことはあり得ない。高いコラーゲンを求めるよりも、美味い肉をもっと食べたほうが良い〟と書いておられることも知っておいたほうが良いだろうね」

隣家のインテリ夫人「ということは、信頼できる大手業者のコラーゲンも同じなのですね・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「そうだね。コラーゲンなどを含んだタンパク質が腸から吸収されるためにはものすごく細かく分断する必要があるということだ。例としてふさわしいかどうかは別問題として、糖尿の人が打つインスリンもタンパク質だから、錠剤などは作っても無駄なのだね。経口では分解吸収された後、インスリンになるとは限らない。だから1型糖尿病の子供も注射をしているだろう」

隣家のインテリ夫人「言葉も出ないぐらいショックですわ・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜落ち込むことはないよ。今まで気のせいでも満足していたのだから・・・。気を取り直し焼き鳥を楽しもう。不足気味のコラーゲン補充を期待できるかもしれないよ。焼き鳥にはやはり生ビールが良いかな。冷えごろもちょうど良い。元気を出せよ!」