明治「閉経後女性に対するポリフェノール効果」研究発表

      執筆者:shirai

東京医科大学と明治の共同研究グループは、カカオポリフェノールの継続摂取が、閉経後の女性において、インスリン抵抗性を改善する可能性と、血圧と悪玉コレステロールの改善効果を確認し、この研究成果を、2018年10月9日に開催された「閉経後女性に対するカカオポリフェノールの健康効果研究成果発表会」にて発表した。同試験では血糖値が高め(HbA1cが5.8%以上6.5%未満)かつBMIが18.5以上27.5未満である45歳以上69歳以下の男女を被験者として行われた。被験者はランダムに2グループに分けられ、1つの群には被験食品であるカカオポリフェノール抽出物を含むタブレットを、他方の群には対照食品としてカカオポリフェノール非配合のタブレットを、それぞれ毎日4週間継続摂取。さらに2週間の非摂取期間を空けた後、被験食品と対照食品を入れ替えて、同様に4週間継続摂取した(プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験)。 その後被験者全体では有意な差は認められなかったものの、閉経後の女性のみの層別解析で、被験食品摂取群では対照食品摂取群に対し、以下の変化が確認された。①血中のインスリン濃度と血糖値がともに高い場合は、インスリン抵抗性の発現が疑われるが、今回の共同研究ではカカオポリフェノールの摂取前後で、空腹時インスリン濃度が低下する傾向が認められた。また、カカオポリフェノールの摂取前後で、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRが低下する傾向が認められ、これらの結果よりインスリン抵抗性が改善する可能性が示唆された。②カカオポリフェノールの摂取前後で、最高血圧・最低血圧が有意に低下した。③カカオポリフェノールの摂取前後で、悪玉コレステロールとされるLDL-コレステロールが有意に低下した。以上の結果より、カカオポリフェノールの継続摂取が女性ホルモンであるエストロゲンの分泌低下により、高血糖、高血圧、高コレステロールの3つのリスクが高まる「閉経後女性の3高リスク」の悪化を防ぐ可能性が示唆された。