健康ニュース 2月1日号 恵方巻に思うこと

     

隣家のインテリ夫人「コンビニで恵方巻の予約をしてきました。先生の分も予約してあります。楽しみにしてくださいね」

隠居中の大御所 暈穀菜「それはありがとう。でも恵方巻って何だろうね?」

隣家のインテリ夫人「なんでも節分の日に恵方を向いて太巻きのお寿司を食べると、運が向いてくるという関西で始まった習慣らしいですよ」

隠居中の大御所暈穀菜「わしは18歳までは関西の兵庫県に住んでいたがそんな風習は聞いたこともないな。去年も恵方巻とやらをいただいたので調べておいたよ。その結果分かったことは、どうやら作られた風習と言えそうだな。30年近く前に大阪の海苔問屋が、海苔の拡販策として恵方巻を言い始めたのだね。それに大手のコンビニが乗って、宣伝をし始めた、いうのが真相らしい。今では様々な問題が生じているようだね。質問だが、恵方の方向ってどっちの方向なのかね?」

隣家のインテリ夫人「えっ?恵方ですか?関西で発生した行事なら、えー方向ですかね。そんなことは全く考えてもいなかったですわ」

隠居中の大御所暈穀菜「えー方向?上手いこと言うね。正確には吉の方角を言うのだね。いずれにせよ商魂たくましい海苔問屋の思うつぼにはまっていることは間違いないね。まぁせっかくいただけるなら、ありがたく食べさせてもらいますよ。ところでこんな習慣に農林水産省が、よく考えて欲しいという要望を、恵方巻商戦が始まる1月10日過ぎに出したのを知っているかな」

隣家のインテリ夫人「えっ?どんなことを言っているのですか?」

隠居中の大御所暈穀菜「昨年のことだが、売れ残った恵方巻が大量に廃棄処分された動画が、ネット上で評判となった。食料の無駄を許してよいのか!という声だね。こういう声に対して兵庫県のあるスーパーでは、(もう無駄な販売競争はやめにしよう)という宣言をして注目を浴びている。さすが兵庫県のスーパーは常識があると思わないかな。恵方巻を作りますが、品切れになったらごめんなさい、ということだが、これで無駄が無くなるならそれでよいと思うね。今年は店によっては特長を出そうというのか、海苔の代わりにローストビーフを巻いたもの、ご飯に代わってそばを使ったものなど、手を替え、品を替えした新しい恵方巻が販売されているということだな」

隣家のインテリ夫人「商魂たくましいですね。そういえばバレンタインの日に贈るものも、チョコレートから色々なものに替わっているみたいですね。消費者が乗ってくるのも原因でしょうか・・・」

隠居中の大御所暈穀菜「口では食べ物を大事にしようとか、世界には飢えている人が何億人といると言っているがね・・・。恵方巻にはまったく罪がないけれどもね・・・。それはさておき、作られたムードというのは恐ろしい結果を生むというニュースが飛び込んできたよ。1月12日東京新聞コラムは大変なことを伝えている。それによると、今どきの子供たちは、お正月の雑煮よりも節分の恵方巻の方が身近に感じているということだ。小学3年から中学3年までの3万人を超す調査結果が紹介されている。それによると、雑煮を身近に感じる者はは79%だったが、恵方巻は87%だったそうだ。七草粥に至っては27%というから、世も末と言ってもいいのじゃないかな。君の家では七草粥を食べたかな?どうせ27%に含まれていないのだろうね」

隣家のインテリ夫人「・・・。もっと伝統食を大事にするよう頑張りますわ」

隠居中の大御所暈穀菜「そうあることを期待するよ。では春が早くやってくるように神様に祈ろうかね。神様の大好きなお神酒をいただくとしようかね。肴は炙ったイカが良いな。準備を頼んだよ」