明治「カマンベールチーズの認知症予防の可能性」確認

      執筆者:shirai

桜美林大学、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター、および明治の共同研究グループは、軽度認知障害の高齢者において、カマンベールチーズの摂取が、認知機能との関連が報告されているBDNF(脳由来神経栄養因子)を上昇させることを確認し、その研究成果が、2019年9月24日に、老年学・老年医学分野で評価の高い国際科学雑誌Journal of the American Medical Directors Association (JAMDA)に掲載されたことを発表した。同研究は東京都に居住する70歳以上の高齢女性689人のうち、自覚的なもの忘れの訴えがあり、認知機能を確認するテスト(MMSE)の結果が23~26点で「軽度認知障害」と判断された高齢女性71人を対象として、白カビ発酵チーズ(カマンベールチーズ)とカビ発酵していないプロセスチーズ(対照チーズ)の摂取によるBDNFへの影響を評価したもの。対象者を無作為に2群に分け、1つの群には市販の6Pカマンベールチーズを1日2ピース、対照群には市販の6Pプロセスチーズを1日2ピース、それぞれ3ヶ月間摂取し、血中BDNF濃度を測定。その後、3ヶ月間のウォッシュアウトを経て、摂取する食品を群間で入れ替え同様のことを実施した。その結果、カマンベールチーズ摂取時には、対照チーズ摂取時と比較して、うつ病やアルツハイマー型認知症、記憶・学習などの認知機能との関連性が報告されている神経栄養因子の一つで、加齢とともに認知症でも低下することが報告されているBDNFの血中濃度が有意に高い値を示した。これまでもカマンベールチーズ摂取による認知症予防効果を示唆する基礎的な研究成果は報告されていたが、同研究では軽度認知障害の高齢者においてカマンベールチーズ摂取によるBDNF上昇作用が示される結果となり、世界で初めてヒトを対象とした試験でカマンベールチーズ摂取による認知症予防の可能性を示唆した研究成果となる。■論文タイトル:The effects of mold-fermented cheese on brain-derived neurotrophic factor in community-dwelling elderly Japanese women with mild cognitive impairment: A randomized, controlled, crossover trial (カビ発酵チーズの摂取が軽度認知障害の地域在住日本人高齢女性のBDNFに及ぼす影響:ランダム化クロスオーバー比較試験) ■JAMDA掲載URL:https://www.jamda.com/article/S1525-8610(19)30518-3/fulltext