健康ニュース 1月1日号 健康広告の問題点!

     

隣家のインテリ夫人「実家の母のひざの状態が悪いらしく、階段の上り下りで痛みがあるというのです。あまり歩かない状態が続いているので、テレビや新聞広告に頻繁に出ているサプリメントを確かめたいというのです。この広告の商品ですが、まず先生にご相談したいと思います。ご意見をお聞かせください」

隠居中の大御所 暈穀菜「止めときなさい、の一言だね。今朝の新聞にも出ていたね。しかも全面広告だよ。これだけ高齢化が進むと、もっともっとひざ痛で悩む人が出てくるだろうね。そんな時はまず専門医に診てもらうことだ。そうすることで無駄なお金も使わないで済むし、後悔もしないはずだよ」

隣家のインテリ夫人「相談してよかったですわ。でも新聞の広告にも凸凹医学博士推奨!と書いてありますよね。お医者さんのお薦めなら間違いないとも思うのですが・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「君も目が悪くなったのかな?よく見てごらん。どこに医者が推薦と書いてあるかな?」

隣家のインテリ夫人「(新聞広告を指さしながら)先生こそ老眼が進んでいるのではないですか?ここに凸凹医学博士推奨とありますよ!」

隠居中の大御所 暈穀菜「君は眼だけでなく耳も遠くなっているのだね。医師とか医者とは書いてないだろう。医学博士としか書いてないではないかね」

隣家のインテリ夫人「医学博士といえばお医者さんに決まっているでしょう。屁理屈言わないでくださいな!」

隠居中の大御所 暈穀菜「誰が医学博士の全てが医者と決めたのかな?医学博士=医者・医師とは限らないよ。確かに医学博士の大部分は医者だと思うがね、中には医師の資格の無い者も多いのは間違いない。医学博士〇◎とあれば君と同じく多くの人が医者と決めつけてしまうから問題だよね」

隣家のインテリ夫人「・・・。そんなの騙し商法ですよね。まったく世の中信用できないですわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「だから注意しなければいけないのだ。この医学博士というのはずいぶん前から問題となっている。このひざ痛緩和サプリメントの広告のように、どこの医学部出身なのか明記していない医学博士、医師免許のない医学博士の多くはディプロマミル博士と言って、お金で資格を得ているのだね。アメリカに本部があり、日本でも北九州市あたりに日本本部があり、博士号を欲しい人に論文を書かせ簡単な審査の後、数十万円を支払うとほどなく医学博士号が授与される商売なのだよ。これを称して学位商法と言っている人もいる。君も、へちま水を作り医学博士◎◎先生推薦の肌に優しい化粧品!とやれば大儲けできるかも知れないよ」

隣家のインテリ夫人「恐ろしいやり方ですね。人の健康を左右しかねないのです。取り締まりの対象にならないのですか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「今のところ手の打ちようがないそうだ。お金で医学博士という肩書を買うことの善悪は差し置いても、その肩書でひざ痛改善商品販売に係るのは問題ありだね。医師に診てもらえばすぐ直るひざ痛を、悪化させないとも限らないからね」

隣家のインテリ夫人「今日は相談して本当に良かったですわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「良かったな。では寄せ鍋の支度をお願いするね。珍しい冷酒が届いたからね」